クー・フーリン三兄弟のご近所さん キャスターとの話5
二人はそのまま、いかがわしくない普通のホテルに着く。
すでに予約してあったのかチェックインはスムーズだった。
たぶん、旅行に来た兄弟程度にしか見られていないと思うけれど、違うのだ。
リツはまだあまり現実味がわかないまま、部屋に入る。
「悪いな、こんな部屋しか取れなくてよ」
「ベッド広いし、普通ですよ？」
「いや、もっとムードある部屋の方が良かったかと思ってな」
キャスターは、きょとんとするリツのリュックを下ろさせる。
そして、自分の元へ抱き寄せ、するりと顎を撫でた。
「キャスターさん・・・」
一ヶ月間ずっと我慢してきた、望んでいた相手はもう腕の中に居る。
けれど、決して性急にしてはいけない、相手を怯えさせては元も子もない。
「リツ、オレとのこと、まだ恋仲だって思ってくれてんのか？」
「あ・・・え、と・・・・・・はい・・・」
赤面しつつ頷くリツに、キャスターは徐々に欲が膨らんでいく。
純情な少年に、己の欲をぶつけたらどんな反応を見せるのだろうかと。
「じゃあ・・・恋人っぽいこと、していいか？」
「・・・・・・はい」
素直に返事をすることが、なんと愛らしいことか。
「ま、先に風呂入って来な。オレはちょっと買うモンがあるからよ」
「わ、わかりました」
ぱっと手を離され、リツは拍子抜けする。
けれど、覚悟の時間をくれたのかもしれない。
入浴が終われば、きっと、電話口で話したことが成されるのだから。
備え付けのシャンプーやボディソープなど、ふんだんに使って入念に体を洗う。
この先のことが鮮明に想像できているわけではないけれど、いやらしいことになるのだろうとは予想できる。
それが、この後自分の身に降りかかろうというのだろうか。
初めて、キャスターに触れられる。
一体どんな感覚がするのだろうと、緊張と期待が入り混じっていた。
お風呂から上がり、体を拭く。
その最中に扉が開く音がして、ぎくりとした。
反射的にタオルを胸まで巻き付け、防備する。
「お、ちょうど上がってたか、オレも入らせてもらうわ」
「ど、どうぞ・・・」
キャスターが遠慮なく入ってきて、リツはタオルを巻いたままそそくさと出て行こうとする。
だが、その前に肩を掴まれ動きを止められていた。
「あ、の・・・」
「・・・眠かったら寝ててもいいぜ、無理に暴こうとはしねえから」
ぽつりと告げられ、手が離される。
リツはどうとも返事ができないまま、脱衣場から出ていた。
覚悟ができていない自分への気遣いが申し訳ない。
あんなに会いたくて仕方なくて、今日のこともわかっていたはずなのに、タオルなんて巻いてしまったからだ。
裸でいるのも冷えそうで、とりあえずベッドに行く。
そして、掛け布団の中で身を守るように縮こまっていた。
キャスターが髪を乾かす、ドライヤーの音が聞こえてくる。
リツはむくりと起き上がり、キャスターが出てくるのを待った。
ほどなくして音が止み、扉が開く。
「・・・起きてたか」
キャスターは何も身に着けていなくて、リツは目を丸くする。
普段はゆるい服で隠されている、立派な大人の体を凝視してしまっていた。
「キャスターさん・・・痩せ型だけど、ひきしまってるんですね」
「まあな、弟共に比べたら筋肉はねえが、結構気遣ってるんだぜ？」
キャスターがリツの隣に座ると、ベッドがぎしりと軋む。
そして、無言でリツを見詰めていた。
ここから先を拒むか受け入れるか、間を与えるように。
リツは思わず目を伏せたが、同時に掛け布団をぱさりと落とす。
もうタオルもなく、その体を隠すものは同じく何もなくなっていた。
「・・・今なら、まだ服着直せるぜ？」
リツは、ふるふると首を横に振る。
「オレ・・・キャスターさんの裸見てから、動悸が止まらない・・・。・・・触りたい、キャスターさんのこと・・・」
拒むどころか、相手も求め訴えているなんて。
キャスターはたまらず、リツを前から抱きしめていた。
「ふわ・・・」
初めて、他人と素肌を重ねた。
風呂上がりなのもあるけれど、予想以上に暖かくて、肌の質感が落ち着きをなくさせる。
「お前も、好きなだけ触れよ。上でも下でも、どの部位でもいい」
キャスターは、硬直しているリツの腕を取り自分の背に回させる。
すると、さらさらとした髪の毛が手にかかり、リツは気持ち良さそうに指を絡ませていた。
触れてもいいんだろうか、こんな綺麗な人に。
疑問を抱いてももう止められない、リツは何度もキャスターの髪をすく。
一方で、キャスターはリツの首筋から背にかけて、ゆっくりと撫でていた。
この体を自分のものにするのだと、確かめているように。
裸でいるからだろうか、ゆっくり撫でられるだけでもリツは感じるものがある。
くすぐったそうに身じろぐと、キャスターはわずかに身を離した。
視線が合うと、何も身に着けていないこの状況だけでお互いを高揚させる。
「あぁ・・・すげえ触りたかった、電話越しなんて欲が溜まるだけだ」
「オレも・・・特に後半の週なんて、夢に出てくるまでになってて・・・。
な、なんか危ないですね、すみません」
照れると視線を逸らすのが、とてもわかりやすい。
これはリップサービスなんかではないだろうと。
「相変わらず可愛いこと言うよな・・・堪らなくなる」
キャスターはリツを慈しむよう、そっと唇を重ねる。
「う・・・ん・・・」
優しい口付けに、リツはやんわりとキャスターの背に腕を回す。
重ね合うことを許容していると実感し合っているような、穏やかなキス。
胸部からやや早い鼓動が伝わるのが、何とも心地よかった。
最初は静止していたものの、それだけでは辛抱できなくなったようにキャスターが舌を出す。
唇の隙間をなぞられると、むずがゆさもありリツは自然と口を開いていた。
するりと舌が入り込み、リツと交わり合う。
「はぅ・・・あむ・・・」
もはや、リツは抵抗なくキャスターを受け入れる。
いやらしさはある、けれど激しくない穏やかな動作が安心させる。
少しでも長く繋がっていたいと望むように、キャスターは丁寧にリツの中を弄る。
「は・・・ん・・・」
吐息が、だんだん熱を帯びてくる。
キャスターとの交わりに、心が反応する。
自分の中にも触ってほしいと、そう望むように。
じわじわと、喉元に液が溜まっていく。
反射的にこくりと飲むと、喉の内側から侵食されているような、そんな気がする。
それでも、その感覚は拒むべきものじゃなかった。
キャスターは、ゆっくりと舌を解きリツの様子を覗う。
着衣しているときの行為とはまた違うことを覚えているのか、リツの目はすでに艶っぽくなっていた。
そんな表情を見るだけでも、下肢に熱が行く。
「そうだ、先にこっちを触るんだったな」
キャスターはひょいとリツを持ち上げ、体制を変える。
「わ、あ」
体がキャスターの足の間にすっぽりと納まり、後ろから抱き抱えられる。
今度は背中に温もりを感じ、リツはまた幸福感を覚えていた。
そんなほんのりした様子もつかの間、キャスターの手がするりと胸部を撫でていく。
「あ・・・」
「肌、すべすべだな。まだ誰にも汚されてねえ感じがする」
キャスターは愛おしそうに、リツのうなじに口付ける。
温かな吐息が伝わり、リツは温もりと同時にぞくりとした感覚を覚えていた。
キャスターの手は、そのまま胸部の突起を指の腹で撫でる。
「ひゃ、っ」
その個所は敏感に感じるものがあり、リツはぴくりと肩を震わせた。
「可愛いな・・・」
無意識に、言葉が零れ落ちる。
どこを触っても素直に反応する様子がたまらなくなる。
その突起を軽く押して弄ってやると、リツはまた震えていた。
「あ、あの・・・っ、胸、少し、おかし・・・」
「なに、ちゃんと感じてる証拠だ」
自分の愛撫に、確かに反応している。
もっと感じさせてやりたくて、手は下方へ伸びて行っていた。
どこを触られるか、リツもわかっているけれど抵抗はしない。
そして、キャスターの掌はリツの中心にあるものをやんわりと握っていた。
「あう・・・」
最も感じやすいものを包まれ、リツは戸惑いを含んだ声を漏らす。
「まだ柔らけえな、イイ感触だ」
キャスターは目を細め、リツのものを優しく揉み解す。
「ひゃっ、あう、あ・・・」
「安心しろ、気持ちよくしてやるから、な・・・」
電話口で話していたことだと、やっと実感が沸く。
すりすりと愛撫されると、一気に血が循環する。
キャスターにあられもないところを触られているなんて。
掌から受ける刺激と、現状を実感して、下半身に熱が集中していった。
少し擦っただけで、リツのものは敏感に反応する。
そして、キャスターの雄も同じ状態になるのに時間はかからなかった。
「あ・・・キャスター、さん・・・」
背中に、固く起立したものが当たりリツは動揺する。
「お前の声とか、感触とか・・・感じてると、オレも抑えられねえわ」
欲情している証拠を背に感じ、リツはますます鼓動の高鳴りを覚える。
自分のこんな体を、欲しがってくれていると。
キャスターの掌の中で、性的なものはいつの間にか起っていた。
「あ、あ・・・おれ、なんか、へん・・・」
「・・・まさか、自分でしたことねえのか？」
リツは、こくりと頷く。
まさかこの年で初めてとは、キャスターは驚きつつも高揚感を覚えずにはいられない。
「なら、教えてやんなきゃな。気持ちイイこと・・・」
キャスターは怪しく囁き、再びリツを抱き抱えて体制を変える。
そして、もう逃げられないよう自分の下へ組み敷いていた。
キャスターを見上げる形になり、リツはごくりと唾を飲む。
ここから、更に行為が進んでいくのだと。
「ちょっと待ってな」
キャスターはさっき買ってきた、太めのチューブを手に取る。
蓋を開け中身を掌に出すと、ぬるりとした粘液質なものが広がった。
「あ、あの、それ・・・」
「潤滑剤がないと痛むかもしれねえからな。初めてなんだ、ちゃんと気持ち良くしてやりたい」
キャスターは、透明なローションを指に絡ませ粘り気を出す。
ここから先の、未知数の事に体を固くしていると、その手がお尻の方に触れた。
「ひゃっ・・・」
「ちゃんと、良くしてやるよ・・・」
キャスターの指が、後ろの窪みへあてがわれる。
ぎょっとして思わず力が入ったが、液体を帯びた指はつぷりと中へ入ってきていた。
「あぅ、あ、っ・・・」
性的な感覚よりも驚きが強くて、上ずった声が上がる。
まさか、排出するだけの部分に指が入ってきているなんて信じられない。
身は縮こまろうとするけれど、潤滑剤のぬめり気で指は奥へと進んでいっていた。
「あ、あ、ひぅ・・・へんな、感じ、する・・・っ」
「だんだん良くなってくる。じっくり解していくからな」
ある程度まで指を埋めると、軽く曲げて中を解すよう刺激する。
始めてものを受け入れた個所は、わずかな変化にも反応するようきゅっと締まった。
自分の指を圧迫されても、キャスターの下肢がどくりと脈動する。
まるで、早く中へ入りたいと主張するように。
一本だけではとても解しきれないと、濡れた二本目を慎重に埋める。
「ひゃ、んっ・・・」
刺激が増し、リツは思わずキャスターにしがみつく。
怯えさせたかと、抜くことはせずともキャスターは動きを止めた。
「・・・怖いか？」
緩ませてやりたいのはやまやまだが、休ませるよう静止する。
「・・・ううん、キャスターさん、優しいから・・・大丈夫」
欲を覚えている、吐息交じりの声。
安心させるよう、濡れていない方の手でリツの頬を撫で微笑みかける。
「受け入れようって頑張ってくれてんだな、すげー嬉しい。
リツ・・・ほんとに、愛しくてたまらねえ」
甘い言葉に、脳が蕩けてしまう。
坊主と呼ぶのではなく、名前で呼ばれることがこんなにも胸を熱くさせる。
「オレも・・・優しく支えてくれてるキャスターさんのこと、すき・・・だから・・・」
ぴたりと刺激が止んだからか、下半身が疼いてしまう。
キャスターは行為を再開させる合図にするよう、リツにそっと口付けた。
ゆっくり時間をかけて、リツの中を緩ませていく。
もうほとんど抵抗なく指が動くようになり、体が開かれていると感じる。
頃合いかと、キャスターが指を抜くと窪みがひくりと縮んだ。
「キャスターさん・・・おれ、前も、後ろも、どくどくするような・・・」
もはや、リツの一挙一動に煽られて仕方がない。
眼下で蕩けている様子を見て、キャスターは軽く唇を舐めていた。
「ああ・・・気持ち良くなりたいって訴えてんだ。オレのも、同じだ」
キャスターは、己のいきり立つものをリツに擦りつける。
「ひゃう・・・」
あまりにサイズの違うものが触れ、リツはおっかなびっくりだ。
それは確かに固く、欲が溜まりに溜まっていたから。
念入りに解したとはいえ、少年の体にはきついかもしれない。
キャスターはローションのボトルを取り、今しがた指が入っていた個所へ先端を入れる。
「中も外も、濡らしておいたほうがいいな」
キャスターがボトルを押し、その液をリツの中へ注ぎ込んだ。
「ひゃ、あ、っ、なに・・・っ」
ぬるぬるとした粘液質なものが入って来て、リツは動揺する。
それはすぐに抜かれ、外側にもまんべんなく塗り付けられた。
「悪い、オレのがもうギンギンにでかくなってっから・・・」
キャスターは、自分の猛りにもローションを塗り付ける。
その、大きいものが入ってくるのかと、リツはぎょっとした。
「キ、キャスターさん、の、それ、入れ・・・？」
「ああ。・・・あんまり痛ませねえように、ゆっくりやる」
本当に、自分の中に、そんなものが入ってしまうのだろうか。
けれど、下半身の方はさっきからもどかしいような、疼いているような感覚が止まらない。
まるで、キャスターのそれを欲しがっているようだ。
拒否の言葉が出ないことを確認して、キャスターは腰を落とす。
そして、リツの窪みに自分の雄をあてがった。
「キツかったら、しがみついてな」
「は、はい・・・」
キャスターは、リツの腕を自分の背へ誘導する。
少しでも力を抜かせるよう、青い髪がかかるように。
余裕がないのはキャスターも同じで、もはや止めようがない。
だいぶ滑りが良くなっているその秘部へと、先端を押し入れていた。
「あう・・・！」
思わず、リツはぎゅっとキャスターにしがみつく。
指の何倍も太いものが、今まさに自分の中へ入ろうとしている。
防衛本能か、窪みは強く縮こまり侵入を防ごうとした。
だが、内にも外にもある潤滑剤が抵抗力を軽減させる。
リツの声が苦痛に近くなり、キャスターは先端を埋めたまま静止する。
「っ・・・痛えよな、流石に」
わずかでも痛みから気を逸らせればと、キャスターはリツの頭を撫でる。
余裕なんてとっくになかったが、恐らく受け手の方が何倍も辛い。
「は、あ・・・うぅ・・・」
リツは大きく息をして、何とか苦痛を逃がそうとする。
じんじんと後ろが熱を帯びて、動かないでほしいと止めている。
「大丈夫だ、無理にはしねえから。しばらく待って・・・」
ここへ来ても堪えようとするキャスターを見て、リツは軽く髪を掴む。
「キャスター、さんも・・・我慢、しすぎないで・・・いい、から・・・」
痛みを伴わないなんて無理だろう、それならキャスターにも気持ちよくなってほしい。
ずっと我慢してきたのは、お互い様なのだから。
こんな極限の状態で言われては、もう完全にタガが外れてしまう。
「お前、ほんとに・・・もう、後に引けねえからな」
初めての行為で、しかも生でするのは酷だったかとも思う。
だが、何の隔たりもなくリツの中へ押し入れたかった。
直に締め付けられ、熱を感じ、そして注ぎ込みたい。
少年は孕むことなどない、相手に負担を与えるだけのことかもしれない。
それでも、雄としての本能がそう訴えていた。
キャスターはさらに腰を落とし、リツの奥を暴いていく。
「あ、あ、んん・・・っ！は、う、あう・・・」
じわりじわりと、自分の中が押し広げられ、開かれていく。
今までにない強い感覚が、全身を襲う。
窪みは全力で縮こまって止めようとするのだけれど、ぬめりがあって抵抗できない。
やがて、キャスターは大きく息を吐いて、動きを止めた。
「わかるか・・・？お前の中に、俺がいること・・・」
もう、キャスターのものはほとんどその身をリツの中へ埋めている。
締め付けてくる刺激を悦ぶように、強く脈動していた。
「は、ぅ・・・キャスター、さん・・・あつくて、どきどきして、どうにか、なりそ・・・」
体の中にキャスターを受け入れ、リツはもう目が離せない。
身も心も、完全に相手のものになった、そんな瞬間だった。
虚ろ気な熱視線を受けてキャスターは生唾を飲み、自身を中に留めたまま、リツの猛りをゆるゆると撫でる。
「あぁ、っ・・・！」
起ちきって敏感になっているものを刺激され、リツの窪みはきゅっと縮こまる。
全体を圧迫されて、キャスターは吐息をついた。
「あ・・・ごめん、なさい・・・キャスターさん、苦しそう・・・」
「いや、よがってんだよ。・・・もっと締め付けてくれていいんだぜ」
リツの中が少し圧迫感に慣れてきたところで、キャスターはわずかに身を引く。
だが、決して抜くことはせず再び奥へ埋めていた。
「は、う、ひゃ、ん、あ・・・！」
奥の方を突かれ、リツは喘ぎを抑えられない。
「イイ声出すな・・・もっと鳴かせたくなっちまう」
びくりと震えるリツの腰を掴み、ローションで滑りのいい中を、キャスターは前後に動き始める。
浅く腰を引き、リツの奥を突くことを繰り返す。
「ひゃ、ぁっ、だめ、へんなこえ、出ちゃうよ・・・っ」
「我慢しなくていいんだぜ、もっと聞かせてくれよ・・・」
突かれるたびに甘い声が出て、快楽がつのりつのってくる。
後ろはひくひくと痙攣するように収縮するけれど、もはやキャスターを煽ることにしかならない。
もう限界が近いと、突き動かされるたびにリツの前からわずかに液が漏れ出してきていた。
変化に気付いたキャスターは再び下腹部の方へ手をやり、リツのものを丁寧に愛撫する。
「あぁ、っ・・・！や、あぅ・・・っ」
「もう、お前のも同じくらい固いな・・・先走りも出て、良がってくれてんだな」
先端や裏側、弱いところを探るように、キャスターの手はもう止まらない。
リツがびくびくと反応するところを重点的に攻め、快感を与え続ける。
初めての体に、両方への刺激は強すぎる。
自身を咥えさせたまま昂りを擦り、下半身の動きも止めずリツを攻め立てる。
そして何十回目か、奥を突いた瞬間、リツの全身が震えた。
「あっ、あ、っ、んん・・・だ、め・・・ああ・・・！」
抑えようと思っても抑えきれない衝動がこみ上げてくる。
とたんに、リツは高い声を発し、キャスターの手の中で白濁を散布させ達してしまう。
同時に、窪みはきつく縮こまり、キャスターをきつく圧迫していた。
「っ、は・・・・・・リツ・・・！」
最奥に留めた瞬間に圧迫され、キャスターは声を押し殺す。
だが、溜まりに溜まった欲は留めることはできず、リツの中で果てていた。
「ひゃ、ぁ・・・う、ああ・・・」
キャスターのものがどくどくと脈動したかと思うと、ローションとは違う、生暖かくて、粘液質なものが体の中に注がれていく。
今自分が出してしまったものと同じ体液が、溢れ出ないよう窪まりの奥へ流れ落ちる。
繋がり合ったんだと、はっきりと実感させるような淫らな感触に、リツの意識は虚ろ気になっていた。
背に掴まる力もなくなり、ぱたりと腕をベッドに落とす。
「リツ・・・大切な、オレの愛しい子・・・」
まだ繋がったまま、キャスターはリツの額に口付けを落とす。
汗でしっとり濡れた塩気も、今は甘美な液体に感じる。
リツは、まだ肩で息をしていて応える余裕がない。
性的な余韻はとても強くて、もうキャスターのことしか見えなかった。
いつの間に眠ってしまったのだろうか、リツが目を覚ますともう朝になっていた。
体を起こすと、まだ服を着ていないこと、そして下半身に違和感があることに気付く。
昨日のことは夢じゃなかった、キャスターと確かに繋がり合った。
下半身に何となく感じる気怠さが、事実を物語っているようだ。
「リツ、起きたか」
キャスターの声がして、反射的に掛け布団を引き寄せる。
もう隠す間柄でもないけれど、堂々と見せられるほど厚顔無恥じゃなかった。
一方のキャスターは楽そうなパンツに、黒のキャミソールに似た肌着を着ていて、リツはじっと見てしまっていた。
「キャスターさん・・・セクシーなの着てるんですね」
「開口一番がそれかよ」
キャスターは吹き出して笑い、ベッドにリツの着替えを置く。
「着させてやれなくて悪い、裸見たらまたムラムラしそうでよ」
「あ・・・い、いえ、自分で着ますから」
リツは、いそいそと服を着て肌を隠す。
裸でいるといやらしい気持ちになってしまいそうなのは、自分も同じだった。
「・・・腰や腹は痛まねえか？気持ち悪い所は？」
リツが着衣すると、キャスターは怪訝そうに伺う。
「下半身の方に、少し違和感はありますけど・・・痛むとこはないです」
「そっか、良かった。・・・ほら、中に出しちまっただろ、腹壊したんじゃねえかと」
キャスターは、心配そうにしつつリツの肩を抱く。
その言葉で昨日の場面を鮮明に思い出し、リツはほんのりと頬を染めていた。
そうだ、この体の中に、キャスターのものが注がれたんだと。
「・・・お腹痛くもないし、気持ち悪くもないです。ぬるっとして、いやらしかったけど・・・温かくて、どきどきしたから・・・」
リツは、キャスターに体を摺り寄せる。
多少の気怠さはあっても、この人の相手になれたことが嬉しいと、そう感じていたから。
「あんま、朝から欲情させるようなこと言うなよ、ほんと・・・」
もう堪らないと言うように、キャスターはリツをぎゅっと抱きしめる。
他の兄弟の所へふらふら行かないようにしたい、そんな一心で植え付けていた。
最も濃くて欲深い感覚を、この少年は受け入れてくれたのだ。
リツは、穏やかに微笑んでキャスターに身を委ねる。
キャスターのものにしてもらえたのかなと、そんな幸福感を覚えながら。