クー・フーリン三兄弟のご近所さん+α ランサーといっしょ





リンは三兄弟の、特にランサーのことが気に入ったようで、今日も一緒に遊ぶ約束をしたらしい。

流石に預けっぱなしにするのは悪いので、リツもランサーの家に来ていた。

「らんさー!」

家に入ると、リンはたっと駆け出してリビングに行く。

「おー、来たかチビ!」

ランサーはさっそくリンを抱き上げ、ぐるぐると回転する。

メリーゴーランドか飛行機かのようで、リンはきゃっきゃっと笑っていた。



ランサーとの遊びは、基本的にアクティブだ。

肩車をして走り回ったり、かくれんぼをしたり、家の中を走り回る。

リツもリンを追いかけていたけれど、子供の体力は無限大なのか

ランサーも飽きずに相手をしてくれている中、リツは一息ついて休んでいた。



遊んでいる二人の様子を見て、少し羨ましく思う。

ランサーにあんなに構ってもらえて、楽しそうにしていて。

自分も子供に戻れば同じように接してくれるだろうかと考えてしまう。

まるで、嫉妬しているみたいだ、あんな幼い子供に。

大人げないと、リツはふるふると頭を振っていた。



しばらく走り回り、リンもさすがに疲れたのかリツの隣に座る。

それに続き、ランサーも近くで腰を下ろした。

「リン、楽しかった?」

「うん!らんさー、すきー」

リンはランサーの腕に抱き付き、好意を示す。

リツも同じことをしたい衝動にかられたものの、ぐっと堪えていた。



「遊んだ後はちゃんと休まねえとな、少し寝るか?」

「んー・・・」

わずかな変化に気付いたのか、ランサーはリンを抱き上げてソファーに寝転がらせる。

そして、タオルケットを取って来て上にかけてやり、ぽんぽんと頭を叩いた。

安心しきっているのか、リンはもううとうととしてきていて、ほどなくしてすやすやと寝息が聞こえてきていた。

「いいもんだな、無邪気でよ」

ランサーはリンの寝顔を見て、しみじみ言う。

眠った時までリンから目を離さないのかと、そんなランサーを目の当たりにすると、つい行動していた。





「・・・ランサー」

リツは小声で呼びかけ、ランサーの背にぴったりと寄り添う。

突然、背にリツの体温を感じてランサーは目を丸くした。

「ランサー、リンのほうがいいの・・・?」

自分でも恥ずかしいことを言っているとわかっている、けれど問わずにはいられない。

このままでは、リンにランサーをとられてしまうんじゃないかと。

背中にすがりつくようにして、自信なさげに問いかけていた。

ランサーはぱっと体の向きを変え、リツに向き直る。



「ち、ちげーよ!チビはチビでかわいいけどな、お前の代わりになんてならねえよ」

ランサーは真剣な眼差しで、本当だと言うように訴える。

「・・・ごめん、子供っぽいこと言って」

リツが俯きそうになったが、ランサーは頬に手を添え上を向かせる。

そして、じっと視線を交じり合わせた後、身を下げて行く。

リツが目を閉じると、静かに唇が重なった。



優しい口付けに、リツの心音が反応する。

今だけはランサーを独占していたいと、背中に手を回していた。

ランサーもリツの背に腕を回し、軽く引き寄せる。

お互いの想いを確かめるようなそんな触れ合いに、リツは安らいでいた。



しばらく重なったままでいて、名残惜しそうに離れる。

リツは、ほんのりと頬を染めてランサーを見詰めていた。

そんな視線を向けられ、ランサーは今すぐ押し倒したい衝動にかられる。

「・・・チビに嫉妬してる、お前の方が可愛いよな」

リンが傍に居る手前、大胆なことはぐっと堪えて頭を撫でるだけに留める。

「う・・・だって・・・ランサー、とられちゃったら・・・やだ・・・」

後半、だいぶ小声になっていたけれど、ランサーは胸に温かみを感じてにっと笑う。

それくらい、自分のことを好いてくれているのだと。



「いくらチビと遊んでても、お前のことほったらかしになんてしねえよ。それに・・・」

ランサーは口ごもり、ちらとリンの様子を見る。

すやすやと寝ていることを確認すると、ふいにリツの手を引いて立ち上がった。

「ランサー?」

何か思いついたのか、ランサーは手を掴んだまま二階へ上がる。

そして、自室へ入るとすぐ鍵をかけ、ベッドに座った。

どうしたのかと、ぽかんとランサーを見上げていると、また赤い瞳が近付いてくる。

その時点で察して目を閉じると、すぐに口が塞がれていた。



「ん・・・」

重なった瞬間、とくんと心音が反応する。

ランサーと触れ合えると、高揚するような、気が落ち着くような。

リンには悪いけれど、今は愛しい相手を独占したかった。

ただ重ね合わせているだけの状態でも、幸福感が満ちていく。

ほどなくして離されると、もうランサーから目を離せなかった。

「・・・チビにはこんなこと、できねえだろ?」

「うん・・・」

取られる、なんて大人げないことを考えてしまった自分が恥ずかしい。

こんな特別な関係は、二人だけなのに。



「・・・あ、あのさ・・・」

「ん?」

リツが少し目を伏せ、もごもごと何か言おうとする。

「もう一回・・・・・・したい・・・」

羞恥心が満載になって、思わず俯く。

ランサーは一瞬目を丸くしたが、すぐ微笑みを浮かべた。



「いいぜ、いくらでもしてやるよ・・・」

ランサーはリツの頬に手をやり、上を向かせる。

愛らしいものを見るような、そんな優しい目が目の前にあって、リツはまた自分の鼓動を感じていた。

もう一度唇が重ねられると、柔いものが隙間をなぞる。

リツは躊躇うことなく口を開き、ランサーを受け入れていた。

柔らかさが舌に伝わり、そこを撫でる。



「は、ふ・・・」

同じ部分が触れ合い、やんわりと絡まる。

しっとりと液が混じり合う感触に、みるみるうちにリツの頬が染まっていく。

柔らかくて、繋がっていることを実感して、鼓動も強まってしまう。

そして、行き所のない感情は下へ向かうようだ。

ランサーはリツの息を詰まらせないよう、緩やかな動きを続ける。

長く交わっていたくて、リツもゆったりとランサーに触れていた。





絡まりが解かれ、リツは陶酔するようにランサーを見詰める。

そして、甘えるように首元に擦り寄っていた。

相手の体温が心地よくて、接していたい思いは膨らんでいく。

それはランサーも同じなのか、リツの足を持ち上げて自分の太股をまたがせた。

「あ・・・」

下半身がぴったりと触れ合う形になり、リツはどきりとする。

もう、お互い健全で純情な少年ではないのだ。

どくん、どくんと心音が伝わってくる。

あんまり長く離れているとリンが起きてしまう、ということが言えない。



リツがじっとしていると、ランサーが服の中にするりと手を入れる。

肌に触れ、背中の方を撫でていく。

「ラ、ランサー・・・」

素肌に触れられ、リツは反射的にランサーにしがみつく。

動揺しても突き放さないところが、自分も相手を求めている証拠だった。

「この体勢、結構いいな。隙間なく抱き合えて」

「・・・うん」

体の前面が合わさっていることが心地良い。

それに、下腹部も触れ合っていることで心音が増すようだ。

高揚感が、下肢に伝わっていく。

リツのものが少し反応してきているとわかると、ランサーは片手で留め具を外していった。



「リ、リンが起きてきたら・・・」

「今寝たばっかりだ、しばらく起きねえよ」

こんなにも密接していて、もはや行為は止められない。

片手はズボンの前をはだけさせ、下着をずらし、中のものに触れていた。



「あ、っ・・・あぅ・・・」

感じてきているところを包まれ、リツはランサーの背に回す手に力を込める。

そうやってしがみついてこられると、ランサーも欲深くなるようだ。

少し上下に擦るだけで、掌の中のものは敏感に脈動する。

自分の手で確かに感じていると顕著にわかり、悦びが伝わってくる。

「お前の、相変わらず小さくて可愛らしいよな」

「うう・・・少し気にしてるのに・・・」

手を広げれば、すっぽりと包み込めてしまう。

それでも、いっぱしに反応するところが愛らしくて、だんだんとズボンがきつくなってきていた。



ランサーは一旦手を離し、自分のズボンも緩める。

そして、下着から自身のいきり立つものを露わにしていた。

密接になっている状態で、自ずとそれらが触れ合う。

「あ、う・・・ランサー・・・」

相手の同じものを感じ、リツの頬にますます熱が上る。

太さも長さも違うと改めてわかり、男らしさを実感していた。

「・・・なあ、オレのも触ってくれよ、前みたいに」

「えっ・・・あ、前、みたいに・・・」

旅行したとき、自分だけ満足しては駄目だと、ランサーに触れていたことを思い出す。

それはおぼろげな意識の中だからできたと、そんなことは言えなくて、リツはおずおずと下半身へ手を伸ばしていた。



自分のすぐ側にある、太ましいものに指の腹で触れる。

すでに熱っぽくなっていて、刺激を求めているとわかる。

リツは思いきって、それを緩めに握っていた。

「は・・・」

頭上で、ランサーが息を吐くのが聞こえてくる。

掌に皮膚の質感が伝わり、触っている方も興奮してしまうようだ。

さっきされたように手を動かすと、脈動が鮮明になってくる。



「ランサー、気持ちいいの・・・?」

「ああ・・・お前の手に触られてんだって思うだけでもヤバイ」

単純に擦っているだけでも悦んでくれているとわかると、リツは嬉しくなる。

お互いに求め合っていると、そう実感できたから。

少し触れ続けているだけでも、ふいにぬるりとした感触が指に絡みついてくる。

それはランサーの精だとわかると、リツは思わず手を止めていた。

「オレだけ良くなってて悪いな・・・って、お前のも・・・」

「え・・・?」

いつの間にか、リツの先端からも白濁が滲んでいる。

相手に触れる高揚感が抑えきれていないと、体が正直に示していた。

ランサーは、液を絡ませるように指の腹でリツの先端を集中的にいじる。



「ひゃ、あ、っ、ああ・・・」

電流が流れるように、リツの体がびくりと震える。

反射的にしがみつくと同時に手の中のものを握ってしまい、ランサーは目を細めた。

「な、そのまんま、握っておいてくれよ・・・」

ランサーは自分のものをリツの手の中におさめさせたまま、続きをする。

液が絡み動作が滑らかになったのもあり、ランサーの動きは流暢に早くなった。



「は、う、ああ、ランサー・・・っ」

刺激が強まると、堪えるように下肢のものを握ってしまう。

強い脈動が掌から鮮明に伝わってきて、共鳴するように自分の心音も高鳴る。

それが悦びに繋がるようで、ランサーも息を吐いていた。

「リツ・・・お前と繋がっていたい、もっと・・・」

それは、ランサーの深い部分にある本能的な本心。

けれど、その方法をお互いはまだ知らないでいる。

こうして身を合わせるだけで精いっぱいで、しきりに体を摺り寄せていた。



「ランサー・・・オレ、のも・・・触ってて、ほしい・・・」

あられもないところだけれど、愛しい相手と接することができて、羞恥心よりも高揚感の方が勝る。

もう、仲良しこよしの微笑ましい関係よりも深く密接なのだ。

お互いに求め合い、興奮具合は最高潮に達する。

ランサーは少しでも触れる面積を広くしたいと、リツの服をまさぐり素肌に手を回す。

リツも、ランサーにしがみつく手を決して離そうとしなかった。



高揚感に任せ、ランサーはしきりにリツを擦る。

荒々しくもある動きに、つのりつのった昂りは堪えようがない。

小刻みに息を吐き、熱くなっているリツの体は、ふいにびくりと震えた。

「あ、っ・・・!も、う・・・出ちゃ、う・・・っ」

「イイぜ、このまま出してくれよ、包んでてやるから・・・」

助長するように、リツの先端を指の腹でぐりぐりと押す。

「ああっ・・・!らん、さ・・・んっ、あぅ、あ・・・!」

ランサーのシャツを、しわになるくらい強く掴む。

そして、まだ握ったままのランサーのものも。



「い、っ・・・あ・・・!」

全身が強張った瞬間、どっと溢れ出す。

それはランサーも同じで、強く握られた反動でびくんと震えていた。

達したのはほぼ同時で、卑猥な白濁が下肢を濡らす。

リツは脱力して、ランサーの肩にもたれかかった。

息を深く吐き、ぐったりとする。



「は・・・らんさ・・・」

「リツ・・・」

呼応するように名前を呼び、虚ろな眼差しのまま惹かれ合うように唇を重ねる。

高まった呼吸を共有するようで、胸の内からじんわりと温かさが広がっていく。

お互いの体温が上がりきっていて、余韻を味わっていた。





「リツにぃー、らんさー、どこー?」

ぼんやりしているところへ、リンの声が聞こえてくる。

「あ・・・リン、起きたんだ・・・」

「あー・・・そうだな」

一人にされて探している、早く顔を見せないといけない。

けれど、まだ余韻を味わっていたいと言うように、体は動いてくれない。

ねとねとになっている下半身を拭うのが、まだ怠い。

それどころか、この卑猥な感触を取り去ってしまうのが惜しいとさえ思っていた。



「お?チビ、一人でどうしたよ」

ちょうどキャスターが帰ってきたのか、扉の向こうから声がする。

「あのね、リツにぃとらんさーいなくなっちゃったの・・・」

「チビを置いてくなんてひでぇな、じゃあオレと楽しいことすっか」

「うん!」

キャスターが見てくれるようで、ひとまずほっとする。

「キャスターさん帰って来てくれてよかった・・・」

「・・・ああ」

けれど、キャスターの言う楽しいこと、という言葉がランサーにはやけに引っかかっていた。

まさか、幼児に相応しくないことをするとは思えないが、あの兄には裏の面があるのだ。



「・・・そろそろ後始末すっか」

「ん・・・そうだね」

また昂らせないよう、慎重に液を拭って始末する。

ランサーは嫌な予感が消えなくて、服を整えるとリツと共にキャスターの部屋へ行っていた。

「キャスター、入るぜ」

扉を開けると、そこにはランサーが想像していたような光景はなくて

リンはクッキーをさくさくかじっていて、キャスターはルーン文字の本を見せていた。



「何だ、気を利かせてやったのにもう終わったのかよ」

「あ、えーと・・・ありがとう、ございます」

お察しのとおりで、リツは目を伏せる。

「リツにぃとらんさー、なにしてたの?」

純粋な疑問を投げかけられ、二人は言葉に詰まる。

けれど、答えなければ何回も問われるだろう。



「二人でゲームしてたんだな?チビの側だとうるさくて起こしちまうからなー」

「そ、そう、ゲームしてた・・・ね、ランサー」

「お、おう、音でかいアクションゲームだったからよ」

「リンもしたい!」

明らかにごまかしているが、純粋無垢な子供は疑うことを知らない。

リンはぱたぱたとリツの側に行き、足をぎゅーっと掴んでいた。



「ランサー、貸しだからな」

「わ、わーってるよ・・・」

キャスターは、何か考えているようににやついている。

これだから、この兄の本性は家族でしか見抜けないのだとランサーは痛感していた。