軍事国家6


彼が部屋を出て行ってから、僕は再びラトの世話になり、介抱されていた。
そして、そのおかげとあってか、翌日にはだいぶ体が楽になった。
まだ全快とはいかないが、十分動けるまでには回復していた。
これで、演習を休んでラトに迷惑をかけないで済む。
ラトも、これで上官に咎められることはないと安心するだろうと思っていたが。
どうやら、それは違うようだった。


「リツさん、何で演習に来てるの!昨日あれだけぐったりしてた人が!」
いつものようにギリギリに演習場に入るなり、いきなり罵声を浴びた。

「何でって・・・もう、動けるくらいには回復したし、僕が休んだらラトに迷惑がかかるだろ?」
「何言ってんの?少し動けるようになったからって、あれほどの熱が一日で全快するわけないでしょ!
それ、自分でわかってないわけじゃないよね?
それなのに、迷惑がかかるとか、そんな言い訳みたいなものつけて登場して・・・
さっさと部屋に帰りなよ、またボクやあの人に迷惑かける気?」
前までは、僕が休むと迷惑がかかると言っていたのに。
今は逆のことを必死に訴えかけられ、どっちがラトの本意なのかわからなくなりそうだった。

「この子の言う通りだ、リツ」
背後から声をかけられ、振り向く。
「最低、もう一日は休むべきだ。今日はオレがこの子と組むから心配しなくてもいい」
なぜか彼に言われると、反論する言葉が出てこない。
ラトは、彼の提案を始めて聞いたのか、一瞬驚いたような表情を見せていた。

「・・・そうだよ、またぶり返されたらたまったもんじゃない。
そっちのほうが迷惑かかるってこと、学習してくれないとボク達も困るんだよ」
二人にそう言われ、返す言葉もなかった。
全快ではないと気付いていたけれど、楽に動けるのなら大丈夫だろうと高を括っていたところもある。
それを指摘され、僕は押し黙ってしまった。

「・・・わかった。今日は、部屋で休むよ」
二人に負け、僕は大人しく演習場を後にする。
そして、食堂でケーキを一つだけ食べてから部屋に戻った。
今日だけ彼とペアになれたラトを、少し羨ましく思いつつ。




部屋に戻ると、ベッドではなくソファーに座る。
部屋で安むと言ったが、寝転がるほどではないだろうと思い、外を眺めていた。
いつもなら、演習をして体を動かしているはずの時間を、ぼんやりと過ごしてゆく。
ラトの早口を聞いているはずの時間を、何もせずただ何となく過ごす。
いつもと違う時間のせいか、どこか物足りなさを感じる。

こうして外を眺めることは、苦でもなく楽でもないはず。
なのに、今は何もないこの時間が物足りない。
生活のリズムが崩れると、こんな感じになるのか。
それとも、これは「退屈」という感覚なのだろうか。
いつも、すべきことがある時間が、何もない時間となったことで。
僕は、その感覚を実感しているのだろうか。


ふと時計を見ると、部屋に戻ってきてからまだ10分程度しか経っていないことに気付く。
時間の流れが、とても遅く感じる。
模擬戦で体を動かしたり、ラトと話したりしたいと思う。
前は、好んで人と関わることはしなかったくせに。

けれど、今はあの饒舌な口調で話しかけてほしいと、そう感じる。
ラトが居てくれれば、この物足りない感覚は消えるだろう。
これが「退屈」なのかと、気付いた瞬間だった。


いつの間にか、演習とラトとの会話に、僕は「楽しみ」を見出していたらしい。
それがなくなった今、「楽しみ」とは逆の、「退屈」を実感している。
今やっと、ラトの言っていたことがわかった。
「退屈」は、時によって、苦になりえるのだということを。

早く、演習が終わってくれないだろうか。
そうしたら、ラトか、彼と話せるかもしれないのに。
いつの間にか、僕はそうして他者と関わりたいと思うようになっていた。




「リツさん、大人しくしてる?」
やっと演習が終わったのか、ラトが遠慮なしに部屋へ入ってきた。
「ああ、部屋でじっとしてたよ」
ラトは隣へ腰かけたが、その表情はいつもと違った。
陽気な雰囲気は一切見られず、真剣で、どこか思いつめているように顔を覗き込まれる。

「リツさん。・・・リツさんにとって、ボクの存在って、何?」
「え?」
突然、真顔でそんなことを尋ねられ、僕は呆気にとられる。
「答えて。リツさんにとって、ボクは友達?顔見知り?それとも・・・ただの鬱陶しいもの?」
最後の言葉を、ラトはまるで自分を卑下するように言った。

彼は、一応知り合いの位置にいる。
しかし、ラトはどこに位置づけられるだろうか。
ラトに話しかけられても、僕はろくに会話をしない。
時たま、行動を共にするがたいていはすぐに別れる。
お互い、気兼ねなしに話しかけられる相手ではあるが、はたしてこの状態のお互いを「友人」と呼べるのだろうか。

しかし、単なる「知り合い」と呼ぶにもしっくりこない。
知り合いは、わざわざ風邪をひいた相手の看病などしないだろう。

僕は今まで、友人を持ったことがない。
どこからが知り合いで、どこからが友人なのか、わからない。
だから、僕はラトの問いになかなか答えを出せなかった。


「・・・そんなに、悩むことなんだ。それとも、よっぽど言いづらいってこと・・・?」
ラトの口調は、消え入りそうになるほど弱かった。
いつもと調子が違うラトの様子に痛ましさを感じたが、答えは出てこない。

「僕にとっては、難しい問題なんだ。少し、時間を・・・」
時間をくれないかと言おうとした瞬間、ラトが勢いよく立ち上がった。
「・・・もういい。そんなに悩まないと出てこない答えなら・・・もう、聞かなくたっていい」
ラトはとても静かな声でそう言い、部屋から出て行った。
その行動はあまりに素早く、引き止められなかった。

何かを、誤解させてしまっている。
それを解かなければならないと、直感的にそう思った。
気がつくと、ラトに続いて、部屋を出ていた。
しかし、もうラトの姿は見えない。
追うにも、ラトの部屋は二階にあるということしか知らない。
ならば誰かに聞けばいいと、僕は人が集まっていそうな食堂へ走った。




「リツ、そんなに急いでどうした?」
「ハルさん・・・」
僕は一旦、立ち止まって息を整える。
「ハルさん、ラトの部屋がどこにあるか知りませんか?知っていたら、今すぐ教えてほしいんです」
気が焦っているのか、口調が早くなる。

「・・・あの子が、どうかしたのか?」
「ちょっと・・・喧嘩をしてしまったようなものです」
声が、わずかに破棄をなくした。
「君にとってのあの子の存在意義を、教えてあげられなかったのか」
さきほどの会話の内容を言い当てられ、僕は目を丸くした。

「何で・・・そのことを知っているんですか」
「オレがあの子に諭したんだよ。自分の存在意義を聞いてみたほうがいいと」
喧嘩の原因を作ったのが彼だと知り、目を見開く。
だが、原因は自分だとすぐに思い直す。
ラトに問われたとき、ちゃんと答えを出せていれば。
こんな、喧嘩別れのような形にはならなかった。


「何で、そんなこと・・・ラトに言ったんですか」
尋ねると、彼は苦笑を浮かべた。
「何でだと思う」
逆に問い返され、混乱する。
ただでさえ他人の気持ちを汲むことができないのに、彼の意図などわかるはずもない。
そうこうして悩んでいる時間が、もどかしかった。

「・・・ラトの部屋を、教えてください」
答えを出すことを諦め、再び尋ねる。
その返事に気落ちしたのか、彼は小さく溜息をついた。
「あの子の部屋は、二階の右端にある」
彼は、呟くように言った。

「ありがとうございます」
僕はすぐに、二階へと走った。
一刻も早く、ラトの元へ行きたいと、焦燥感が僕を動かしていた。




二階の右端の部屋の前に着くと、軽く扉を叩いた。
気付いていないのか、無視しているのか、返事は無い。
もしかしたら鍵が空いていないだろうかと、駄目もとでノブを回す。
すると、いとも簡単に扉が開いた。

「ラト」
中に入り、呼びかけても返事はない。
外出しているわけではなく、ラトは部屋の隅にあるソファーに座っていた。
来訪者が訪れたことに気付いているはずなのに、ラトは床の一点を見ていた。

「・・・座ってもいいか?」
ラトは何も答えない。
けれど、帰るわけにはいかず許可なしにラトの隣へ座る。
それでも、いつも真っ直ぐに見詰めてくる視線は、床に注がれたままだった。


「・・・何、友達でも、知り合いでもない相手に何か用?」
ぼそぼそと、小さな声が聞こえてくる。
会話をするときも、ラトはじっと俯いていた。
「さっきは、すまなかった。・・・僕、わからなかったんだ」
「何が」
ラトの声はわずかに大きくなったが、そこにはいらつきが含まれているように聞こえた。
曖昧な言葉を、ラトは望んではいない。

「僕は、友達という相手と接したことがなかった。だから、友達というのがどんなものなのかわからなかった」
この仏頂面と、周囲に興味を示さなかったことが合わさって、友人どころか名前を知っている相手も少なかった。
友人がいる安心感を知らなければ、いないことの寂しさも感じなかった。
そのどちらも求めようとしなかったから、僕はずっと一人だった。

「けれど、ラト・・・君を、ただの知り合いだと言うのも違和感がある気がしたんだ。
君は・・・僕が風邪をひいたとき、心配して、世話をしてくれたから」
その言葉に、ラトはちらりと、僕の方を見る。
けれど、すぐに視線を元に戻してしまう。
もどかしさが、胸の内に渦巻いてくる。


「・・・いいよ、慰めなんていらない。・・・リツさんは、あの人のことが好きなんでしょ」
「好き・・・?」
あの人というのは、彼のことだとわかったが。
好き、というのはどういうことだろうか。
誰かに好意を抱いたことなんてない。
それは、ケーキが好物だということと、同じ感覚なのだろうか。

「リツさんはいつもあの人を見てる。ボクがいくら話しかけても、あの人を見てるときは生返事しかしない。
あの人と一緒に、外にも行ってるんでしょ」
「それが、好きってことなのか?」
「・・・・・・そうだよ」
ラトは少し間を空けてから肯定したが、どこか自信がなさそうだった。
彼のことを見て、彼と共に行動することがあって、そして会話をする。
そうなれば、その相手に対して好きという感覚を持っていることになるのだろうか。


「・・・もう、いいよ。わかりっこない、リツさんには、わかるわけない」
ラトは急に話を切り上げ、その場から去ろうと立ち上がった。
まだ、何の解決にもなっていない。
ここで話を終わらせず、伝えなければならない。
このまま、ラトと話せなくなるのは嫌だ。
僕は、ラトが走り出す前に、とっさに腕を掴んで引き止めていた。

ラトは腕を振り、手を振り放そうとする。
そうして拒まれても、今は離すわけにはいかない。
「聞いてくれ、ラト。僕はさっき、初めて退屈っていう感覚を知ったんだ」
突発的だったが、僕は話し始める。
ラトと共に居るはずの朝。
僕はとても、退屈だった。

「今まで、楽しみを知らなかったから、退屈も知らなかった。
でも、ラトと一緒にいない時間が、すごく退屈だったんだ」
演習がなかったから、という理由だけではない。
ラトと共にいられないことが、僕にとって退屈の大きな要因だった。
それは、僕にとっての大きな変化だった。

「ずっと仏頂面で、生返事で、興味を示していないんだって、自分でもそう思ってた。でも、今朝やっとわかった。
僕はラトと話すことが、一緒にいることが楽しかったんだ」
ろくな会話ができない相手にも、ずっと話しかけてくれたし。
その内容が嫌み事だったとしても、鬱陶しいと思わなかった。
共に居ることが、苦じゃなかった。
これを楽しいと言わずに、何と言うのだろうか。


ラトと、視線が交わる。
そこには、困惑の表情があった。
今まで、興味を示されていないと思っていた相手からこんなことを言われれば、当たり前の反応だと思う。

腕を引き、座るよう促す。
ラトは戸惑ったようだったが、僕が二度腕を引くと、そろそろと隣に座った。
「鬱陶しくないの、ボクの言葉が」
「鬱陶しくなんかない」
ラトの消え入りそうな声に、僕は考えるまでもなく即答していた。
不安そうにしているラトを突き放す言葉なんて、言えるわけがない。

「うざったくないの、ボクがつきまとうことが」
「うざったくなんかない」
間髪入れず、即答する。
もはや微塵も、そんなことは感じていなかった。
不安感が、言葉を介してひしひしと伝わってくる。

痛ましい。
どうしたら、ラトの不安を取り除けるのか。
励ましの言葉なんて言えない僕が、どうしたらラトを安心させることができるのだろうか。


「・・・でも、さ。リツさんは、ボクがこのまま引きこもっててもたぶん困らないよ?
だって、あの人がいる・・・」
「ラト!」
僕は声を上げ、言葉を阻んだ。
これ以上、似合わないような悲しいことは言ってほしくない。
泣きそうな声をしているくせに、自分を卑下する言葉なんて聞きたくない。
ほとんど、反射的な行動だった。

両腕を伸ばし、ラトの体を捕らえる。
そして、僕より一回り小さいその体を引き寄せ、強く抱きしめた。
「・・・!」
ラトの顔は肩口のところにあるので、その表情は窺えない。
けれど、よほど驚いていることは確かだと思う。
僕自身でさえ、こんな行動をしている自分自身に驚いているのだから。


「・・・ラトの言うとおり、僕は彼のことが好きなのかもしれない。
でも・・・それなら・・・僕は、ラトのことも好きなんだ・・・」
感情をぶつけるように、言葉を絞り出した。
饒舌に、相手を励ます言葉なんて言えない。
それならば、行動にして示せばいい。
決して、相手を拒んでいないということを。

華奢な体を強く抱きしめ、示す。
厭わしいなんて思っていない。
共に居ることが喜ばしい。
必要な存在なのだと、そう伝えたかった。


腕の中にある体が、わずかに震える。
「・・・いまさら、いまさらそんなこと言って・・・」
「ごめん」
「・・・・・・初めて話しかけたとき、リツさんはいつも平然としてた・・・。
どんな嫌みごとを言っても、表情一つ変えなかった・・・」
「・・・ごめん」
日常的な、とりとめのない話を聞いても、嫌み事を言われても。
僕は、いつも同じような反応しかしなかった。
そんな僕は、ただ謝ることしかできない。
今更こんなことを言って申し訳ないと。
いつも、おもしろくなさそうな顔をしていてすまないと。

「・・・責めてるわけじゃない。だから、この人なら、大丈夫かなって、そう思った・・・。
この人なら、この性格を受け入れてくれるんじゃないかって・・・」
僕は、ラトの言葉に対して笑いはしなかったけれど、嫌な顔もしなかった。
口を開けば、嫌み事を言ってしまう性格のせいで、ずっと厭われてきたのかもしれない。
でも、そんな嫌み事を、僕は不快と思ってはいなかった。
ラトの言葉のほとんどは、ただ思いついた単語を並べただけの薄っぺらいものだと感じていた。

わざとらしくも思える、そんな言葉の奥に何を隠しているのだろう。
とってつけたような言葉を並べて、何を抑え込んでいるのだろうと、そう思うときさえあった。


「どうしようもない言葉を、リツさんは嫌な顔せずに聞いてくれた。
でも・・・ボクがどんなに話しかけても、一回も笑ってくれなかった・・・」
「・・・ごめん」
僕は未だかつて、社交辞令で笑みを見せようという意識がなかった。
表面上だけの、張り付けたような笑顔。
彼が垣間見せた、違和感のあるその表情。
そんなもので、自分を作るのは嫌だった。

「リツさん。・・・ボクは、リツさんと一緒にいてもいいの?」
「居てほしい。僕は・・・ラトと、友達になりたい」
周囲に興味を示さなかったくせに、今は、こんな台詞を吐いている自分が滑稽だった。
けれど、僕は望んでいる。
ラトという存在が、自分の傍に有ってほしいと。

「友達・・・か」
ラトが、ぽつりと呟く。
「・・・やっぱり、今更こんなこと言っても駄目か・・・?」
掌を返したように変わった、僕の態度。
それに呆れ、見放されても仕方ないと思った。

返答がないことが、不安になる。
拒まれてしまうのならもう腕を解こうと、力を緩める。
しかし、その瞬間、背に、ラトの両腕がまわされた。

「ラト・・・」
体が密着し、温かい、ラトの体温と鼓動を感じる。
まるで、すがられているような感覚に、僕は自分の鼓動も少し強くなったような気がした。
「・・・うん。ボクも・・・リツさんと、友達になりたい」
その言葉に、僕は安堵と喜びを感じていた。
初めて得た友人が、この少年だということに。


ラトが身じろいだので、背に回している腕の力を緩める。
体を離すと、視線を感じ、僕もラトの目を見る。
その瞬間、彼の目を見たときと似たような感覚を思い出した。
けれど、どこか違う。
彼の視線には引き込まれそうになるものがあった。
けれど、今は、眼下の相手を引き寄せたくなるような、そんな感覚を覚えている。

「リツさん・・・」
一言、名を呼ばれる。
それだけなのに、まるで、求められているような、そんな錯覚を覚える。
僕は、ほとんど無意識の内に、ラトの肩に手を添えていた。
自分は一体、何をしようとしているのか。
少しだけ、ラトの体を引き寄せる。
そして、自らもラトへ近付いていく。

ラトは一瞬、驚いたような表情を見せた。
けれど、肩に置いた手が振り払われることはなかった。

ラトが、目を閉じる。
身を、相手に任せると、そんな意思表示が示される。
視線はそれで閉ざされたはずなのに、ラトから目を逸らせない。
そして、もっと近付きたいと。
理性的ではないそんな考えが、脳裏をよぎって。
僕は、その言葉に従っていた。
目を閉じているラトに、身を近付けてゆく―――。



『緊急招集、緊急招集。速やかに演習場へ集合せよ。繰り返す―――』
突然スピーカーから流れてきた声に驚き、僕はさっと手を離してしまった。
驚いたのはラトも同じなのか、目を見開く。

「・・・・・・招集・・・だね」
「・・・ああ」
放送が終わると、どこか気まずい沈黙が流れた。
お互い、今の行動に対して疑問を抱いているのだろう。
ラトは、どうして目を閉じてしまったのか。
僕は、どうして必要以上に近付こうとしてしまったのか。
今思い起こしてみると、自分はとんでもないことをしようとしていたのではないかと思う。
もし、召集の放送が流れなかったら、この先は。

「・・・ほら、ぼーっとしてないで、行かないと」
ラトが僕の腕を取り、立ち上がる。
「・・・そうだな」
召集令がかかったからには、たとえ食事中であっても、入浴中であっても集合しなければならない。
今は、湧き上がってきた疑問のことは忘れ、演習場へ向かわなければならなかった。
召集令が出されるということは、戦争が始まるということなのだから。




―後書き―
読んでいただきありがとうございました!
結構、急展開になってきましたが、結構続かせる予定をしています。
軍事国家というほど、軍事関係のことは出てきませんが(^−^;)。