後輩攻めをさせてみたかった10


最近、ソウヤの機嫌は滅法悪かった。
毎日のように、ショウに素材を拝借してくることを求め、様々な薬を作る。
以前、行為を無理強いされたショウだったけれど、錬金部には顔を出し続けていた。
来なくなれば、今までのことをばらすと脅されていることもあるけれど。
ソウヤが、強い鬱憤を抱えていることが気になっていた。

たまに、保管が厳重で取ってこられずに、見つかりそうになったこともある。
そろそろ誤解を晴らさなければ、いずれ教員にばれてしまう。
信じてもらえるかはわからなかったが、このままただ従っているよりはよかった。

「ショウ先輩、今日も来たんだ。来るしかないもんね」
無表情のまま、ソウヤが告げる。
喜んでいるわけでもないが、罪悪感を覚えているようにも見えない。
「今日は素材を取って来る前に、話があるんだ」
「へえ、言ってみてよ」
ショウは一旦口をつぐんでから、伝えた。


「ソウヤは、僕が惚れ薬を渡したことが気に食わないのかもしれないけれど・・・。
あれは、僕が彼女に使ったわけじゃない」
反論もなく、ソウヤは同じ表情のまま話を聞いている。
きっと訝しんでいるのだと思うが、ショウは言葉を続けた。

「考えてもみてくれ、これは惚れ薬だから飲んで下さいと言って飲む人がいるかどうか」
考えを巡らせているのか、ソウヤはじっとショウを見ている。
その言葉に嘘偽りがないかどうか、見定めるように。

「彼女からは何度も頼まれて、断り切れなかったんだ。迷惑をかけてすまなかった」
ショウが頭を下げると、ソウヤはさっと歩み寄った。
「・・・謝らないでよ。そういう風に頭下げられたら、全部ボクの勘違いだったって、認めるしかなくなるじゃないか」
ソウヤが、ショウの肩を押し上げて体を起こさせる。
そのとき、無表情だったはずの顔は崩れていた。
眉根を下げ、今にも泣き出しそうな、そんな表情に。

「ねえ、ショウ先輩、ボク、嫉妬で気が狂いそうになったんだよ。。
目の前で、想い人が他の人に惚れ薬渡してるとこ見て、正気でいられると思う?」
誤解だったとはいえ、ショウの心がずきりと痛む。
必死で訴えかける様子は、それが形だけの言葉だけではないと物語っていた。

「それを見たとき、ショウ先輩をボクだけのものにしたくなったんだ。。
薬使ってでも、脅してでも、ボクのことしか見えなくさせたかった」
ソウヤは、ショウの後頭部に手を回して引き寄せる。
顔が目と鼻の距離に近づいても、ショウは好きなようにさせていた。
そのまま、ゆっくりと唇が重ねられる。
慣れ親しんでいる後輩だからか、以前に大それたことをされた後だからか。
不快感はなく、身を引き離すことはしなかった。


ソウヤが口を離し、腕も解く。
お互いの距離は、まだ近いままだ。
「ボクは、ショウ先輩とこういうことをもっとしたいんだよ。。
逃げてくれないと、どうなるかわかってるでしょ・・・」
ショウは、じっとソウヤと向き合ったまま動かない。
何をしたがっているのか、わからないわけじゃない。
けれど、この部屋から逃げ出したいという気持ちは、沸いてこなかった。

「馬鹿な先輩だよ、本当に・・・」
続きを言う前に、ソウヤは再びショウを引き寄せて口付ける。
今度は軽いものではなく、小さく舌を出してショウの唇をなぞった。
すると、応じるように、口が開かれる。
ソウヤはほんの一瞬躊躇うように動きを止めたけれど、次の瞬間には自身を滑り込ませていた。

「は・・・っ」
ソウヤがすぐに奥まで入ってきて、思わず吐息が漏れる。
舌が絡ませられると、自然と頬へ熱が上って行った。
必死に求めるように、その動きは激しくて、息が不規則になる。
舌の動きは留まる事を知らず、液の混じる音が嫌でも聞こえてきて。
だんだんと、お互いの呼気は早くなっていった。
一旦離れたと思っても、渇望するようにまた深く重なり合う。

「ん、う・・・は・・・」
息をすると音も漏れてしまい、ショウに羞恥心が募る。
それでも、やはりソウヤのことは突き放せないでいた。
されるがままになり、立っているのが辛くなる。
膝がわずかに震えたのを察したのか、ソウヤが身を離す。


「今のうちに出て行くか、ここに横になるか・・・どっちか選んで」
ショウの答えは、口付けを受け入れたときから決まっていた。
この後輩を悲しませないためにはどうすればいいのか、もうわかりきっていることで。
ほとんど迷うことなくその場に座り、仰向けに寝転んだ。

はっとしたようにソウヤが口を開き、何かを言おうとする。
けれど、言葉を発することなく、ショウの上に馬乗りになった。
そして、無言のままズボンのベルトを外す。
ショウは覚悟して、緊張感を解すよう深呼吸した。



さほど時間もかからず、自分のものが外気にさらされる。
それはまだ静かなままだったけれど、ソウヤが舌を触れさせると、とたんに反応した。
「っ、は・・・」
柔くて、湿った感触が、敏感な個所を弄って行く。
ひときわ感じやすいところを知っているようで、往復するたびに、一気に熱が巡った。
早く自分のものにしたくて仕方がないのか、ソウヤは弄っているものを深々と銜え込む。

「あ、う・・・」
思わず声を上げてしまい、ショウはとっさに唇を噛んだ。
全体が舌で愛撫され、しっとりと濡れる。
ソウヤはそこで口を離し、自らも下半身の衣服を脱ぎ始めた。
ベルトが外れる音がするけれど、しばらく刺激は与えられない。
何をしているのか気になったけれど、直視する度量はなかった。


放置され、もどかしくなってきたところで、ソウヤが身を乗り出してショウを見下げる。
「ショウ先輩が欲しいんだ。だから、ボクの中に取り込ませて、ね」
「ソウヤ、まさか・・・」
何をする気なのか薄らと察したとき、起立しているものの先端にソウヤの下半身が触れる。
そして、ソウヤは体を落とし、ショウのものを受け入れて行った。

「あ・・・!」
「ん、あぁ・・・」
お互い、ほぼ同じタイミングで悦が含まれた声を漏らした。
口内に含まれている時とはまるで違い、先端が締め付けられる。
柔らかな内壁にどんどん浸食され、埋められていって。
一回圧迫されると、熱っぽい吐息と共に、上ずった声が発されていた。

「あぁ・・・ショウ先輩がボクの中に居るなんて、すごく興奮する。。
ほら、もうすぐ全部入るよ・・・」
ソウヤが息を荒げつつ、徐々に身を沈めて行く。
「あ、あ・・・ソウヤ・・・」
自身のものが中へ納まると、それだけ圧迫される面積が増して、感じるものも強くなる。
完全に腰を落とすと、ソウヤは熱っぽい吐息をついた。

「結構、ぎりぎりかも・・・でも、その方がお互い気持ち良くなれるもんね?」
「っ・・・ソウヤ、無理はしないでくれ・・・」
「こんなときに、人の心配してる場合?」
ソウヤが腰をわずかに上げ、再び落とす。
「ぁ、ぁ・・・」
狭い内部に中のものが擦られ、ショウはか細い声を上げた。
感じるものはソウヤも同じようで、窪まりが不規則に収縮する。
外に聞こえることを懸念して音を抑えようとすると、呼気がさらに荒くなった。


そうして、ソウヤは何度も身を上下させ、お互いの気を昂らせていく。
じわじわと限界が近づくが、達する前に動きが鈍くなっていった。
「はぁ・・・あ、ちょっと、休むからね・・・」
ソウヤは深々と身を沈めたまま、運動を止める。
ショウは寝たままなので楽だったが、結構疲労しているのが見て取れる。
こうしてされるがままになっているのは、どこか情けない気がした。

息が少し落ち着いてきたところで、ショウは手を伸ばす。
そして、起ちきっているソウヤのものを掌で包み込んだ。
「あっ・・・なに、してんの・・・」
包んだものがぴくりと震え、後ろの窪まりもわずかに縮む。
「ソウヤばっかりにさせるのは、心苦しい・・・」
ショウは、ゆっくりとそれを上下に擦る。
羞恥心はあったけれど、ソウヤの負担を軽くしたまま満足させられるのならそれでよかった。


中にあるものが圧迫されると、愛撫に感じているのだとわかる。
やがて、ソウヤから液が零れ始めた。
少し動揺してしまい、思わず手の力を緩める。
けれど、腕を引く前に手首を掴まれた。

「するんなら、最後までしてよ・・・離さないで、ショウ先輩、して・・・」
素直に懇願してくることが意外で、ソウヤをじっと見詰める。
正しく言えば、目が離せなくなっていた。
どこか虚ろ気な眼差しが妖艶で、紅潮した頬が可愛らしい。
唇から漏れる吐息を、激しくさせたいと思う。
ショウは再びソウヤのものを握り、なだらかに手を動かした。

「ああ・・・はぁ、ん・・・」
細く高い声と共に、ソウヤが身を震わせる。
「は、あ・・・」
同時に後ろも収縮し、同じ悦をショウも感じていた。
熱を共有していたくて、手の動きはだんだんと早くなる。
痛みを与えないよう慎重にしていたけれど、溢れ出す液が感触を滑らかにしてゆき。
淫猥な感触が増し、ソウヤに余裕がなくなっていった。


「ショウ先輩、あぁ・・・っ、もう、いかせて・・・」
「ん・・・わかった・・・」
欲求が先行して、ソウヤはもう恥じらいなんてなくなっていた。
達させてほしいとせがまれると、ショウの理性は掻き消えていて。
単調に動かすだけでなく、指の腹で先端をなぞり、根元からも撫でていった。

「やぁ、あ・・・んん、ぅ・・・」
悦ぶように声を上げ、ソウヤの眼差しが虚ろになる。
愛撫から得られるものはよほど強いようで、先走った液が収まらない。
達したいのは同じで、ショウも悦を感じつつ、しきりに掌を動かす。
そうして、何度目かの往復運動の後、その欲は不意に解放された。

「あぁ、あ・・・!ショウ、せん、ぱ・・・あぁっ・・・!」
欲がせり上がってきて、もうソウヤは声を抑えきれなかった。
散布された液がショウの手を濡らし、そして自身の中にあるものを圧迫する。
今まで以上に強く、小刻みに圧迫されると、同じように熱が立ち上っていって。
まるで精を搾り取られるような締め付けに、ショウも限界に達した。

「あ、っ・・・ぅ、あ・・・!」
ソウヤの中で、ショウのものが脈動する。
退いてくれと、そう促す暇もなくて、高まり切った欲がそのまま注ぎ込まれてしまった。
「はぁ・・・んっ・・・」
自分の中へ生暖かいものが注がれ、ソウヤは身震いする。
それは嫌悪感ではなく、悦びに満ち溢れたものだった。
脈動が終わっても、ソウヤはまだ腰を上げない。
まるで、ショウの液を、一滴残らず自分の中へ留めてしまいたがっているようだった。


「ふ・・・う・・・ショウ先輩の、もう全部ボクのものだね・・・」
ソウヤが口端を上げて笑み、ショウを見下ろす。
その表情は満足気だったけれど、羞恥のあまり直視できなかった。
「ボクので汚れちゃったね、今綺麗にするから」
ソウヤは白濁にまみれたシュウの手を取り、持ち上げる。
そして、口元へ持って行くと、小さく舌を出して舐め始めた。

「あ・・・ソウヤ・・・」
決して美味しそうには見えないものが、すくい取られていく。
粘液質な感触はとても卑猥なもので、唾液と精液が混じり合い、いやらしさは増幅されていた。
そこに加えて、柔らかな舌が指の間をするりと通り抜けて行く。

「あ、あの、洗えば済むことだから・・・」
わずかな危機感を覚え、ショウは手を引こうとする。
その反応を見て、ソウヤはにやりと笑って指を執拗に舐めた。
口内へ含んで、白濁を残さぬよう全体的に舌を這わせる。
液と柔らかい感触を覚え、ソウヤが目を細めて指を弄る姿を見ていると。
ショウの下肢は、また熱を帯びてしまっていた。

「もう元気になってる・・・ね、もう一回しよう?嫌だって言っても、退かないけどね・・・」
早々に反応してしまった自分を恥ずかしく思いつつも、ショウは抵抗しない。
ソウヤは口端を上げて笑うと、弄っていた手を下ろし、再び自身の体を動かしていく。

「あ、あぁ・・・」
先に出した液が潤滑剤となり、動作が滑らかになる。
達してからさほど時間は経っていないのに、圧迫感に身が打ち震えていた。
「ああ・・・っ、ショウ先輩の、もっと欲しいな・・・何回だって、いかせてあげるから・・・ね」
「う・・・」




それからは、ソウヤは滋養強壮剤でも飲んだのかと疑うほど欲が強かった。
一旦達した後は休むけれど、ショウをまた反応させようと首筋をなぞったり、胸の起伏をいじったりする。
そうして、まだ熱が巡る余裕があると再び自身を動かし、収縮して欲を増幅させる。
薬は飲んでいないはずなのに、刺激を受けるとどうしても気が高揚してしまっていた。

「っ・・・は・・・はぁ・・・ショウ先輩って、案外絶倫なんだね・・・」
「ソウヤ・・・もう、止めた方がいい・・・」
自分でも、これほど持久力があるとは思っていなかった。
寝ている方はまだ楽でも、体を上下させているソウヤは、肩で息をしていて。
もう、とっくに限界を示しているようだった。

「止めたくないよ・・・こんな機会、もう二度とないかもしれないんだから・・・。。
折角、脅して、ここまでできたんだからさ・・・」
ソウヤはもう息も絶え絶えで、苦しそうな様子がありありとわかる。
このまま続けていると、きっと負担が残ってしまう。
ショウは、そっとソウヤの背に腕を回した。


「これを、最後にしなくてもいい。・・・ソウヤがしたいんなら、また、こうして横になるから」
きっと、この言葉は今の状況から逃れたいがための口実に聞こえたと思う。
どれ程伝わっていのか、ソウヤはじっとショウに視線を向けていた。

「ボクが、また同じことをしたいって言ったら、応じてくれるの・・・」
「・・・約束する」
ショウが答えると、ソウヤはゆっくりと自分の身を上げる。
体を抜くと、その窪みから飲み切れなかった白濁が、太股を伝って零れ落ちた。
圧迫感がなくなると、ショウは体を起こしてソウヤの隣に着く。
そして、労を労うように華奢な肩を抱いた。

「そんなに優しくしても・・・手加減しないからね・・・」
「ああ・・・」
ソウヤは、おずおずとショウに体重を預ける。
荒い息が落ち着くまで、肩を抱く手は離されなかった。




―後書き―
読んでいただきありがとうございました!
錬金部というのに、もう薬使っていないというね。
2話連続発禁でもう自重してないできない。