後輩攻めをさせてみたかった19


今日の部室は、南国の甘い香りが広がっていた。
今はココナッツオイルがはやりで、お菓子との相性が抜群だ。
健康にもいいことから、クッキー、プリン、ケーキなどもろもろのお菓子に使われていた。

「いい匂いだなー。ちょっと高いのが玉にキズだけど、この香りに誘われたらたまらないね」
「そうだな。色んな商品も出てるし、使いやすい」
熱にも強くて、チョコや飴にも混ぜられる。
お菓子作りには最適だと、睦月は感心していた。
その、ココナッツオイルの瓶を広斗はじっと見ている。

「・・・成分表でも見てるのか?」
「ううん。・・・ね、睦月先輩、今度の休み空いてる?」
「空いてるけど・・・」
二人は他の部員から離れ、睦月は小声になる。

「また、うちに来てくれないかなあ。このココナッツオイル、独り占めしたくない?」
「まあ、いろんな料理に合わせてみたいとは思うけど・・・」
「それじゃあ、うちに来て合わせてみよう?今週ね!」
広斗は無邪気に笑ったが、睦月はどことなく不安を感じていた。


次の休み、言われた通り睦月は広斗の家を訪れる。
また人払いをしたのか、中に誰もいないようだった。
「先輩、来てくれてありがとう。ほら、特大サイズ買ってきたんだ」
広斗は、両手で400g入りの大瓶を嬉しそうに見せる。
「家からも、合わせてみたい食材持ってきた」
睦月は、袋の中からバナナやリンゴなどの果物、市販のアイスクリームを取り出す。
「ありがとう!さっそく、アイスにかけてみようか?香りがプラスされておいしくなりそー」


それから、ココナッツオイルをかけて食べ比べが始まった。
アイスにかけると甘い物同士が喧嘩せず、香りが強まっておいしくなるが
果物は、物によっては匂いが混じり合って微妙なものもある。
甘くても油なのでそれほど食べられず、お互いに少しずつ味わって食レポをしていった。

「ふー、もうしばらくは甘い物いらないや」
「そうだな、何かで味を打ち消したいくらいだ」
流石に飽きてきて、小休止する。
一息ついていると、広斗が睦月にぴったりと身を寄せた。
「・・・広斗?」
「ねえ、睦月先輩、ココナッツオイルって食材以外でも使えるって知ってる?」
睦月が首を横に振ると、広斗が睦月の肩を抱く。

「髪に塗ったり、お風呂に入れたり、美容にいいんだよ。あと・・・セックスオイルにも、使えるんだ」
最後の発言に、睦月は目を丸くした。
「えー、と・・・や、安くないものなんだし、食材は食材として使った方が・・・」
「ボクは、そういう形でも使ってみたい。先輩と・・・・・・したい」
反射的に、心臓が跳ねた。
「ダメなら、ボクのこと殴り飛ばしてよ」
そんなことができるはずはなく、睦月は黙る。


「・・・いやらしいんだ、ボク。部活の時もずっと、睦月先輩に使いたいって考えてた。睦月先輩、お願い・・・」
甘えるように、広斗が睦月の首元に擦り寄る。
ふわりとココナッツの香りがして、睦月は目を細める。
そして、必死にねだってくる様子が、どこか可愛らしいと感じてしまっていた。

「・・・しても、いい・・・けど、あんまり、舐めない方がいい、胃もたれすると思うし・・・」
「先輩、ありがとう!またシート敷くから待っててね!」
広斗はぱっと顔を輝かせ、うきうきとした様子でシートを床に敷く。
ココナッツオイルを小瓶にあけて横に置き、あっという間に準備が整った。

「手早いな・・・最初から予定してたみたいだ」
「ごめんなさい。でも、もう我慢できそうにないんだ。・・・先輩、来てほしい」
きびすを返して玄関へ向かえないところが、甘すぎると思う。
睦月は以前のように、シートの上に座って服を脱ごうとする。
「待って、今度はボクが脱がすから」
広斗はさっと睦月の前に行き、ボタンに手をかける。
子供じゃあるまいし、と思いつつも睦月は変な感覚を覚えていた。


ボタンが外されていくと、唾を飲む。
上着は取り払われ、シャツがたくし上げられてそれも取られる。
そこで、肩を押されて後ろに倒れた。
見下ろされて、また唾が出る。
ベルトに手をかけられたとき、やはり緊張した。
今更止められず、ベルトが放られズボンが下ろされていく。
最期の一枚がなくなった後、もう広斗の顔を直視できなくなって顔を背けた。

「ごめんね、先に無防備にさせて。ボクも同じになるから」
恥ずかしげもなく、広斗は次々と服を脱ぎ捨てる。
直視できていなくとも、シートの外へ放られた衣服を見てどんな状態なのか想像できた。
その直後に、甘い香りが鼻をくすぐる。
「蜂蜜より滑りそうだね、どんな感じになるんだろう・・・」
広斗は小瓶からオイルを睦月の胸部に垂らし、手の平で広げていく。

「う・・・」
ぬるりとした感触に、睦月は身震いする。
「少し垂らしただけなのに、どんどん広がっていくや。あ、肌にはいいから大丈夫だよ」
胸部、腹部、太股の辺り、滑りの良い感触が体を這う。
潤滑剤があると触れ合うことがこんなにもいやらしい感触になるのかと、睦月は喉元で声を抑えていた。

「肌にいいから・・・ここに塗ってもいいんだよ」
広斗の手が、睦月の下腹部へ伸びる。
オイルで濡れた掌は、その中心にあるものを包み込んだ。
「あっ・・・」
睦月の体がびくりと跳ね、声が漏れる。
広斗がなだらかに掌を動かすと、とたんに淫らな感覚に襲われた。

「あ、ああ、や・・・」
まるで先走ったものに全体を覆われているようで、瞬時に熱が上る。
「すごい、感じてくれてるんだね。触りすぎるといっちゃいそうだから、その前に・・・」
広斗は手にオイルをつけなおし、手をさらに下方へ伸ばす。
そして、濡れた指を睦月の窪まりの中へ挿し入れた。

「あ・・・!」
睦月は驚いたような声を上げ、体を震わせる。
抵抗しようと窪みは収縮したけれど、広斗の指は奥へ奥へと入って行った。
「濡れてるから、どんどん入っちゃうね・・・。これなら、すぐ解れそう」
広斗は指を増やし、睦月の中をさらに暴く。
「あ、ああ・・・」
二本目の指が入った感覚に、睦月は声を抑えることを忘れてしまう。
拒もうとしても潤滑剤の効果はてきめんで、内部は広斗を受け入れていた。


指が動き、その身を解す。
中に触れられるたびに睦月は身をよじるけれど、もはや逃れられない。
息を荒げて下腹部の熱を感じているさなか、ふいに指が抜かれた。

「睦月先輩・・・ボクも、一緒に気持ち良くなりたい」
広斗は、自分の猛りにもオイルを塗りたくる。
そして、睦月が息を整える間もなく、それを窪まりにあてがい、腰を落とした。
「あ・・・っ!広斗・・・!」
指とは比べものにならない圧迫感に、思わず名を呼ぶ。
太いものが押し付けられ窪まりは縮こまったが、ぬるりとした感触と共に先端が埋められた。

「ああ、睦月先輩、入っていく・・・」
広斗のものは潤滑剤に助長され、睦月の中を広げていく。
痛みを伴うはずの行為だが潤滑剤とその香りで緩和され、睦月の体は広斗を咥えていた。
広斗は腰を落としてゆき、睦月の奥まで身を進める。
下腹部が触れ合ったところで動きを止めて、睦月と重なり合った。

「は・・・先輩・・・すごく、熱いね・・・締め付けてきて、すごく興奮する・・・」
「う、う・・・どうにも、できないんだ・・・っ、動かれると、反応して・・・っ」
広斗がわずかに身を引いても、それを止めるように縮こまる。
後退したそれが再び奥へ進められると、留めるように収縮する。
悦楽の反応は止めようがなくて、感じ続けているしかなかった。

「先輩、もっと感じていて、ボクのこと引き離さないように・・・」
広斗はゆっくりと腰を動かし、睦月の中を刺激する。
「ああ、あ・・・っ」
一回、広斗のものが往復すると強い感覚に抗えなくなる。
広斗はわずかに引いてはまた押し進め、何度も睦月の奥を突く。
動かすたびに根元の辺りでもぬるりと淫猥な感触がして、気は昂るばかりで
動きは徐々に早まり、睦月を攻め立てた。

「もう、中も、全部濡れて・・・ああ、睦月先輩」
広斗は恍惚の表情を浮かべ、ひたすらに睦月の中で前後に動く。
早く、激しい行為に、睦月の身は堪えられない。
何十回目か、最奥を突かれた瞬間、窪みが一気に収縮した。
「ひ、ろ・・・っ、あああ・・・っ!」
叫びにも近い、絶頂の声と共に睦月は広斗を激しく圧迫する。
強く締め付けられ、広斗も堪えられなくなった。

「睦月、先輩・・・ああ・・・!」
身を引く余裕もなく、広斗は奥で果てる。
オイルとは違う粘液質なものが溢れ出し、睦月の中をさらに濡らした。
二人は虚ろ気な表情で、ぜいぜいと肩で息をする。
広斗はゆっくりと身を動かし、睦月の中から身を抜いた。
窪みから白濁が零れ、二種類の液が混じる。

「先輩・・・幸せ、ありがとう・・・」
広斗は睦月に寄り、とろけたような眼差しで見詰める。
睦月は、ほとんど無意識の内に広斗の髪を撫でていた。
「・・・これ、洗うの、大変だな・・・」
「今日は、お風呂入っていかないとね、先輩・・・」
もはや反論は出ず、睦月は頷いていた。




―後書き―
呼んでいただきありがとうございました!
ココナッツオイルがあは〜んなことに使えると聞いて・・・衝動のままに書き散らしたネタ。
料理部を作っておいてよかった!