後輩攻めをさせてみたかった9
(この小説には体は学生、脳内は幼児といった先輩が登場します。
不快感を覚えそうなお方はバックプリーズ)


休み明け、亮は部活へ行くのがとても楽しみだった。
愁に受け入れられたことが嬉しくて、気分が高揚している。
授業なんて放り出して、ずっと部室に居たいと思うほどで。
放課後の鐘が鳴ると、誰と話すこともなくすぐさま部室へ向かっていた。

どんなに早く行っても、部室にはすでに愁がいた。
キャンバスに向き合っている後姿を見ると、すぐに隣へ椅子を置く。
「あ、りっくん、きょうもいちばんのりだねー」
「愁先輩よりは遅いですけどね。今日は何を描いているんですか?」
新しい絵を描いているのか、キャンバスは新しいものに変わっていて。
そこには、薄い黄色や桃色の柔らかい色調で、大小様々なシャボン玉のようなものが浮かんでいた。
まだ途中のようで、上半分にしか描かれていなかったけれど、明るい様子がよくわかる。

「これはね、ぼくのきもちを描いてるんだー。。
ぼく、りっくんといっしょにいると、とってもうれしいから」
和やかな笑顔と共に告げられ、亮は胸の高鳴りを抑えられなくなる。
今すぐ抱きしめたい衝動に駆られたが、ぐっと堪えた。

「俺も、愁先輩と居ると幸せになります」
嫌われていなくてよかったと、心底安堵する。
家に来た時は、自分の欲望を抑えきれなくなって、自重していないことをしてしまった。
軽蔑されても仕方がないことだったけれど、普段通り接してくれる愁にますます惹かれていた。


「りっくん、ぼく、またりっくんのおうちに行きたいなぁ」
「もちろんいいですよ。でも・・・」
亮は、そこで口をいったん噤んだが、言葉を続けた。

「愁先輩と二人きりになったら、また、同じように・・・いえ、もっと触るかもしれません」
かもしれないではなく、確信だった。
二人でいる時はいつだって抱き寄せたいし、愛でていたい。
部室だから自重できているものの、部屋に招いたらきっと抑制できなくなる。

「いいよー。ぼく、りっくんのことすきだから」
愁があまりにもすんなりと返事を返したので、亮は呆気にとられる。
けれど、本人が了承してくれた今、もう断る余地はなかった。
「わかりました。ちょうど明日は祝日ですし、またアニメでも用意しておきます」
「ありがとうー。たのしみだなぁ」
祝日があると、部活に参加できないから残念だったけれど。
今回は、明日が休みで本当に良かったと、亮は心から感謝していた。




翌日、亮は家の前で愁を待っていた。
今日は一人で来ると言ったが、迷っていないか気が気でならない。
何度も落ち着きなく時計を見ていると、こっちに向かってくる人影が見えた。
「愁先輩!」
亮がたまらず駆け寄ると、愁は嬉しそうに笑った。

「りっくん、こんにちはー。ちゃんとひとりでこれたよー」
「よかったですね、安心しました」
亮も微笑むと、愁は自然と手を繋ぐ。
「りっくんのおうち、いこー」
ぐいぐいと手を引かれると、亮は頬の緩みを抑えられなくなった。

以前と同じように、自室へ通してローテーブルの前に座ってもらう。
そうして、亮は肩を密着させて猫とネズミのアニメの続きを見ていた。
すぐ間近で、純真な笑顔を見られることが幸せだと感じる。
ただ、自分の衝動は、それだけでは満たされてくれないのが問題だった。


「先輩、今日はいいものを用意してあるんです」
「いいもの?なになにー?」
愁が目を輝かせると、亮はリビングから白い箱を取ってきた。
蓋を開けて、二人で覗き込む。
中にあるのは、白いクリームに真っ赤な苺が乗っているショートケーキだった。

「うわぁー、おいしそう」
「すぐ皿に移しますから、一緒に食べましょう」
「うん!」
亮は皿とフォークを持ってきて、ケーキを一つずつ移す。
よほど食べたいのか、愁はアニメをそっちのけでじっと見ていた。

「はい、どうぞ」
皿を差し出すと、愁はすぐにフォークを手に取った。
「わーい、いただきまーす」
愁は丁寧にフィルムを剥がし、ケーキを一口大に切って頬張る。
続いて亮も一口食べると、口の中に甘さが広がった。
少し奮発しただけあって、舌触りがとても滑らかでうっとりしそうになる。

「このケーキおいしいな、しあわせー」
愁は目を細め、いかにも美味しそうにケーキを食べている。
その横顔を眺めていると、味わいが何倍にも増すようだった。
食べているうちにアニメが終わり、部屋が静かになる。
ケーキに舌鼓を打っているのは亮も同じで、先に食べ終わっていた。


「あ、りっくん」
「何ですか?」
呼びかけられて横を向くと、すぐ目の前に愁の顔がある。
亮が目を丸くしたとき、口端に、柔らかいものが触れていた。
驚きのあまり、息が止まる。
愁は柔い舌でそこをなぞると、口を離した。

「えへへー、りっくん、ケーキついてたよー」
悪戯っぽく笑う愁を見詰めたまま、亮は動かない。
まさしく、今、自分の本能と戦っている状況だった。

「あれ、びっくりしちゃった?ごめんね」
愁が手を伸ばし、亮の頭をよしよしと撫でる。
他の男子にこんなことをされたら、きっと払い除けているけれど。
気付いたときには脈拍が早くなり、同時に愁の両肩を掴んでいた。


「愁先輩、俺・・・俺も、先輩に触りたいです」
「らぶらぶなこと、するの?」
「・・・はい」
「うん、いいよー」
単なるじゃれあいとしか認識していないのか、愁は快く返事をする。
それだからか、亮は遠慮がなくなった。

「じゃあ、ベッドに横になってもらってもいいですか」
「わかったー」
愁は最後の一口を平らげ、ベッドに仰向けに寝転がる。
その上へ亮が覆い被さり、頬へ唇を寄せた。
軽く触れると、愁はくすくすと笑う。

「くすぐったいよー」
「そうですか?それにしても、愁先輩の頬は柔らかいですね。それに、ここも・・・」
亮は頬から唇へと移動してゆき、そっと重ね合わせる。
そして、すでに開かれていた隙間へ、柔いものを差し入れた。

「ふぁ・・・」
気の抜けたような、かすかに裏返ったような声を発しつつも、愁は抵抗せずに目を閉じる。
受け入れてもらえていると思うと、もはや亮は自分を収めることはできなくて。
愁の口内へ進み、舌先で柔いものの表面をなぞった。

「あぅ・・・ふ・・・」
呼吸をするたびに感じる吐息が温かくてたまらなくて、亮は動きを止められなくなった。
なぞるだけでは留まらず、絡みつかせてお互いの液を交わらせる。
吐息に加えて、かすかな液の音も聞こえてくると、気は昂るばかりで。
亮は遠慮なくその舌を縦横無尽に動かして、愁を蹂躙した。

「ふ、ぁぅ、はぅ・・・」
息継ぎが苦しそうになってきたので、一旦唇を離す。
愁はすでに頬を染めていて、どこか虚ろな眼差しで天井を見上げていた。
亮は、愛おしそうにその頬を両手で包み込む。


「りっくん、あったかい・・・」
体温が心地いいのか、愁が掌に頬擦りする。
その瞬間、理性なんてものは完全に吹き飛んでいた。

「愁先輩の、もっといろんなところを温めたいです」
亮は手を退け、すぐ下にある首元へ顔を埋める。
そこへも何度か口付けると、愁はくすぐったそうに身をよじった。
くすぐったいままで終わらせたくはなくて、小さく舌を出し、下から上へすっとなぞる。

「ひゃっ」
肩の震えが伝わってくると、動きを止める。
けれど、突っぱねられる様子はないとわかると、場所を変えてまた舌先を這わせた。
「ゃ・・・ん・・・」
愁のか細い声を聴くだけでも気が高揚し、動きが滑らかになっていく。
柔肌の感触がやみつきになりそうで、何度も往復すると。
血管がわずかに見える部分をなぞったところで、震えが強くなった。

「ひゃ、あぅぅ・・・」
そこが感じる場所なのかと、亮は執拗に弄る。
たまに音を立てて口付け、刺激を変化させて飽きさせないようにすると、愁の息が不規則になり始めた。
きっと、今、未知の感覚を感じ、熱を覚えているんだろう。
自分と同じように、愁のことも昂らせたくて仕方がなかった。


愁の首がしっとりと濡れると、亮は身を起こす。
もう耳まで真っ赤にしている姿を見ると、より愛らしさが増した。
「りっくんにさわられると、ぞわぞわするよぅ・・・」
「・・・でも、これからは逆に熱くなるかもしれません」
亮はそろそろと手を伸ばし、愁の下腹部へ触れる。
さらにその下にあるものは、布の上からでも判別ができた。
片手で器用に留め金を外し、ズボンの前を開ける。

「えっちなこと、するの・・・?」
流石に察したのか、愁がおずおずと問いかける。
「・・・したいです」
無理強いしてはいけないと、亮は返答を待つ。
母がいつ帰って来るかとやや焦っていたが、了承されるまで耐えるつもりだった。

「なにすればいいのか、よくわかんないけど・・・うん、ぼくも、りっくんとらぶらぶなことしたいな」
こんな状況でも、愁は無邪気に笑う。
頬を染めたまま告げられ、亮はその表情から目が離せなくなった。


「いいん、ですか。なら、それなら、じっとしててくれるだけで、いいです」
高揚のあまり口がうまく回らず、舌を噛みそうになる。
亮は手にかけていたズボンを脱がし、下着もずらしていく。
中心部が解放されると、愁は小さく息を吐いた。

「触り、ますよ」
一声かけてから、露わになったものを指先でそっと撫でる。
「ふゃ・・・」
鼻から抜けるような、かすかな音が耳に届く。
可愛げのある声に背を押されるように、掌を添えてゆったりと愛撫した。

「やぁ・・・んぁ・・・」
初めての感覚なのか、下肢のものは反応が早く、もう熱を帯びている。
先端から根元までを指先でなぞると、全体がびくりと震えた。
自分の手で愁が感じていると思うと、それだけで嬉しくなる。
もっと、快感を与えてみたい。
亮は手を退け、体を起こした。


「りっくん・・・?」
「愁先輩・・・俺、先輩と触れ合わせたいんです」
もはや自分のものも限界で、衣服がかなりきつい。
ズボンに手をかけて下着ごと下ろすと、少し楽になった。
もう一度身を下げ、腰を落として愁の昂りと自身を触れさせる。
わずかに腰を動かして擦り合わせると、お互いに軽く吐息をついた。

亮は下肢の方へ手を伸ばし、密接になるように、指を使って包み込む。
こうして、愁のあられもない個所が触れていると思うだけで、また熱いものが巡り。
我慢しきれずに、掌を上下に動かし、同時に擦り合わせた。

「あ、ぁぅ、ふゃ・・・」
声にならない声が、すぐ傍で聞こえる。
手を激しく動かして、喘がせたくなってしまう。
けれど、早急に求めては負担を与えるだけだと、亮はゆったりと、少しずつ快感を与えていく。
それだけでは物足りなくなってしまって、やんわりと耳を食んでも愁は顔を背けずにいる。
完全に身を委ねられていることを実感すると、亮の胸の内は強い感情で満ち溢れた。

「愁先輩、こんなことされても、俺のこと、好きでいてくれますか・・・?」
「ん、ぅん・・・すき・・・りっくん、だいすき・・・」
愁は、求めるように両腕を亮の背にまわす。
その瞬間、胸の中にどっと想いが溢れてきて頬が緩んだ。
応えるように、亮は下肢の手を滑らかに動かす。
すると、指が弱い個所をなぞったのか、愁の体がびくりと跳ねた。

「ひゃ、ぁう、そこだめ・・・」
「気持ち良いですか、愁先輩・・・」
駄目と言われても止められなくて、その個所を何度も指先の腹でなぞった。
そのたびに、愁は小刻みに体を震わせて反応する。
息を荒げて感じている姿を見ると、動きを抑えられなくなって。
同時に、腰を動かして自信を擦り合わせた。

「やぁぁ、はぅ・・・あぁぅ」
愁は全く声を抑える様子がなくて、感じるままに反応する。
達させてしまいたい、上ずった声をもっと聞きたい。
そんな欲望が増して、亮の動きは自然と早くなった。

高揚しきったものからわずかな液が零れ出し、絡みつく。
その感触がとても淫猥で、興奮して、全体的にお互いを撫でまわす。
そうして、何度目かの愛撫で、愁の体がひときわ大きく跳ねた。

「ふあぁっ・・・!あぁ、ひゃ、ふぁ・・・ぁ・・・!」
裏返った声と共にびくびくと下肢のものが震え、そこから留めようのない白濁が散布された。
掌にそれがかかると、亮はそのまま自身のものに絡ませてしきりに擦る。
高まり切ったものは、愁の液に打ち震えるように脈動した。

「は・・・愁先輩・・・っ・・・!」
全身に力が入り、熱が集中する。
下肢が熱くなった次の瞬間には、同じく欲を解放していた。
下腹部も、下肢のものも、二人分の粘液質な感触でまみれる。
亮は脱力しつつも、体重をかけないようにして愁に覆い被さった。


「は・・・ぅ・・・ぬるぬるだ・・・」
「す、すみません・・・すぐ拭きますから」
不快感を与えてしまったかと、亮はまだだるい体を起こそうとする。
「ん、りっくん・・・」
けれど、その前に、愁が背に回したままの腕に力を込めて引き留めていた。

「もうちょっとだけ、いっしょにいて・・・」
愁は、甘えるように亮の首元へ擦り寄る。
そんなことをされると、亮の下肢には、また熱が巡ってしまいそうだった。
「はい、一緒にいますよ、愁先輩・・・」
優しく言い、そっと愁と唇を重ねる。
愛おしい相手に引き寄せられたとき、亮は何物にも代えがたい幸福感を覚えていた。




翌日、亮は愁の体に負担が残っていないかと心配していた。
けれど、部室に行くといつものように愁が一番乗りで来ていた。
亮はほっとして、隣に座る。

「あ、りっくんみてみて、描けたんだよー」
愁に誘われ、キャンバスを覗き込む。
そこには、明るい色をした色とりどりのシャボン玉が浮かんでいて。
中心には、オレンジ色の大輪が描かれていた。
よほど力を入れたのか、花弁が一枚一枚丁寧に描かれている。
柔らかな色調の絵は、見ているだけでどこか安心するようだった。

「俺の家にあった花を描いてくれたんですね」
「うん!りっくんのことかんがえてたら、描きたくなったんだー」
愁の満面の笑みを見ると、胸が温かくなるのを感じる。
思わず肩に手をやり、抱き寄せようかと迷う。
その間に、愁は自ら亮に身を寄せていた。

「愁先輩・・・」
「りっくん、だいすきだよー」
甘えん坊の子供のように、愁が首元へ擦り寄ってくる。
亮が頭を優しく撫で、そっと抱きしめると、二人の頬が自然と緩んだ。
そろそろ部員がやって来るかもしれないけれど、見られても構わない。
嘘を吐くことを知らない純粋な存在を、一時でも長く腕の中に留めておきたかった。




―後書き―
読んでいただきありがとうございました!
とうとう、こんな純粋な子とさせてしまった・・・まったく自重していなくてすみません、いつものことですが←