何とも平和な隣国4


朝、ノアは目を開くのが億劫だった
眠っていたいわけではない
また、目の前に瓶を持ったリュカがいるのではないかと、気が気でならなかった
しばらくごろごろとした後、薄らと目を開く
そこに、人の姿はなかった
ノアはほっとしたが、それもつかの間
まるで、起きるタイミングを見計らったかのように、リュカが部屋へ入って来た

「おはよう、ノア」
ノアはとっさに身を起こし、警戒する
しかし、リュカが手にしているのは瓶ではなく、一通の手紙だった
「お父さんから、手紙が来てるよ」
リュカはベッドに乗り上げ、隣に座る
ノアは手紙を受け取り、封を開けた
シンプルな白い便せんには、「見せたいものができたから一旦帰ってきなさい」とだけ書かれていた


「ノア、帰るの」
手紙を覗き込んだリュカが、驚いた様子で言う
「・・・そうだな、父さんがこう言ってるんなら、帰らないと」
ちょうど、そろそろ帰った方がいいと思っていた
これ以上、蜜に惑わされる前に
ノアが否定しないでいると、リュカは心配そうな表情をした

「今、すぐに帰るの」
「うーん・・・急ぎの用かもしれないし・・・」
今すぐ帰ると言おうとしたところで、ノアは言葉を止めた
不満と、憂いが混ざり合ったようなリュカの視線を目の当たりにしたから
遊び相手がいなくなり、不満そうな目をするのはわかる
けれど、憂いを帯びているところなんて見るのは初めてで
すぐに帰ると、そう言葉に出せなかった

「ノア、もう一日、明日まではいてよ。急ぎの用じゃないかもしれないんだから」
言葉と共に、リュカはノアの腕を掴む
まだ、ここにいてほしいと、強く主張するように

「・・・わかった。あと一日、お世話になるよ」
明日、相手が帰るとわかれば、この一日何をされるかわかったものではない
本当なら、リュカの行動がエスカレートする前に帰るべきだった
けれど、憂いの眼差しと共に引き止められると拒否できなかった

「本当?それじゃあ、夜までノアが楽しめそうなおもてなしをしてあげるよ」
珍しく、リュカは子供の様な屈託のない笑顔を浮かべた
そんな裏のない笑顔を向けられて、ノアは胸の内がほんのりと温かくなるのを感じていた





その後、リュカはおもてなしという名のイタズラではなく、本当にノアをもてなした
にぎやかな街へ連れて行き、様々な観光地や店をまわる
自国ではあまり街へ出ることがなかっただけに、それはとても楽しいものだった
多くの珍しいものに夢中になっている内に、陽が暮れてくる

「ノア、満足した?」
「うん、国にはないものがたくさんあって・・・すごく楽しかった!」
素直な感想を、満面の笑みで答える
「よかった。じゃあ、帰ろっか」
リュカは、自然な動作でノアの手を取った
ふいに手を繋がれて少し驚いたが、その手を振り払うことはしなかった
もてなしてくれた感謝の念もあったが、手を繋ぐことが何の違和感もないと思えたから


夜は、この国で最後の蜂蜜を味わった
これで、もうしばらく味わえないと思うと名残惜しく思う一方、誘惑から逃れられるとほっとしてもいた
「ノア、今日は特別に大浴場を使わせてあげるよ。
一晩中貸し切りにしておくし、いつでも入っていいから・・・ね」
「いいのか?ありがとう」
今までは、誰かと鉢合わせると話しかけられてリラックスできないので、部屋にある浴室を使っていた
自国でも大浴場に入ることは滅多になかったし、さらに貸し切りと聞いて楽しみが湧きあがって来た

そうして、ノアは眠る前に大浴場へ向かっていた
教えられた部屋の扉を開けると、自室以上に広い脱衣所があり驚く
服を一か所にまとめ、浴室に入ると、とたんに暖かい空気が身を包んだ


「わぁ・・・」
浴室は、脱衣所以上に広かった
一目で高級だとわかる、大理石で囲まれた浴槽
備え付けのシャワーには、金の装飾が施してあった
ノアはシャワーを使って軽く体を流してから、泳げそうなくらい広い浴槽につかる
温度はのぼせるほど熱くはなく、かといって物足りないほどぬるくはなく、まさに適温で心地良かった

そうしてくつろいでいると、ふいに、扉が開く音がした
貸し切りと聞いていたので、おや、と思ったが、世話になっている身でとやかく言うのは厚かましい
気付かないふりをして、そのままお湯につかっていると、扉を開いた人物がすぐ隣に入ってきた

「・・・リュカ!?」
隣に座った人物に、ノアは驚き、慌てた
「何をそんなに慌ててるのさ。面白いからいいけど」
リュカは、いたって落ち着き払っている
そうだ、何もこれほど慌てることはない
相手は友人で、自分とほぼ同じ体つきをしているのだから
そう思うと、落ち着くことはできたものの、なぜか、変な緊張感を覚えていた
そのせいか、口数が少なくなるどころか無言になる
何か話しかけてきてくれないだろうかと思ったとき、リュカがふいに身を寄せてきた

「リ、リュカ・・・」
近付かれると、また慌ててしまう
リュカは、紫の瞳でじっとノアを見ていた
「ノア・・・今、ボクとキスできる?」
「えっ!?」
「ボクがしていいって言ったら、ノアはそうする?」
リュカはノアに体を押し付け、さらに問う

「し、していいって・・・そ、そんなこと」
一体、どういうつもりでそんなことを言っているのか
からかっているだけかと思ったが、じっと見詰めてくる瞳を見るとふざけているのではないとわかる
そんなことを真面目に尋ねられると、返事に詰まってしまう
内容が内容だけに、ノアは何も言えないでいた


「・・・やっぱり、蜜がないとダメか」
返答がないことに痺れを切らしたのか、リュカは立ち上がり、浴室から出て行った
再び、貸し切りの状態に戻る
そのとき、ノアは少し寂しさを感じていた
この国に来る前は、リュカのことを疎ましく思っていたというのに、今は、逆のことを考えている
ひどいイタズラをしない今のリュカとなら、うまくやっていける
蜜のことがなかったら、明日帰るのは惜しいと、そう思っていただろう

湯の温度が適温と言っても、長く入っていると流石に体が火照ってくる
一旦体を冷やそうと、ノアが浴槽から出たとき、再び扉が開いた
「リュカ?」
戻って来たのかと、その人物の方へ歩みを進める
それは、確かにリュカだったが、さっきとは違うところがあり、ノアは足を止めた

「リュカ、それは・・・」
リュカが携えている大きな瓶を見て、ノアは硬直する
中身は、言わなくともわかっていた
浴室には、甘い香りが漂い始めていたから

「ノア、明日帰っちゃうんだよね。だから、最後にしておきたいことがあるんだ」
リュカは瓶に手を入れ、手に絡めた蜜を無造作に自分の体に塗りたくった
「リ、リュカ、やめるんだっ。そんなことしたら、どうなるのかわかってるんだろ!?」
昨日、おとといの出来事を、リュカが忘れているはずはない
その蜜を体に塗れば、どうなるのかも
それでも構わず、リュカは瓶の中身が空になるまで、ひたすらに蜜を塗っていった


このままではいけない、このまま眺めていたら、また抑えられなくなってしまう
なら、シャワーで洗い流してしまおうと、ノアは洗い場へ走ったが
慌てていたから足が滑り、派手に転んでしまった
大した痛みはなかったが、不吉な香りはすぐ傍まで来ていた
はっとして体勢を立て直し、振り向いたときには、リュカは目の前まで来ていた

「ノア、最後に、思う存分味わっていいんだよ。ボクの体ごと・・・ね」
リュカの全身から、これ以上にない甘い香りが漂う
ここで触れてしまえば、取り返しのつかないことになる
ノアは決して口を開かないよう、奥歯を噛みしめていた

「ダメだよ、ノア。もう、キミは逃げられないんだから・・・」
リュカは、ノアに囁きかける
そして、閉じられている唇へ、躊躇いなく自分を重ねた
「っ・・・!」
重なった箇所から、嫌でも蜜の味を感じてしまう
もう、逆らえない
次の瞬間、ノアは自らリュカの身を引き寄せていた

昨日は、重ねるだけで終わっていた行為だけれど、今はそれだけで終わるはずはなかった
唇が離れても、まだ蜜はリュカの全身に絡みついている
頭のどこかで、これ以上はいけないと警告が出るが、抑えることはできなかった
ノアは蜜が付くのも構わずリュカを抱き、目の前にあるうなじへと舌を這わせていた

「あぁ・・・」
リュカには寒気にも似た感覚が背を走り、思わず感嘆の声が上げていた
もっと、もっとこの感覚を味あわせてほしい
リュカは、ノアの妨げにならない程度に腕をまわした


蜜がある限りノアの動きは止まることを知らず、リュカの望む行為を進めて行く
肩に、腕に、胸部に、新しい箇所に触れられるたび、気分が高揚し、下肢が熱を持つ
リュカは時たま甘い声を漏らし、身震いしていた
反応を示した自身の体に、一瞬だけ戸惑いを覚えていたが
その戸惑いは、すぐにそこへ触れてほしいという欲に変わる
気付けば、上半身でもう蜜が残っているところはなくなっていた

「ふふ・・・ノアに触れられるのって、すごく気持ちいいな・・・」
リュカは恍惚の表情を浮かべ、体を後ろに倒す
ここから先、ノアが下肢へと触れやすくするために
ノアは躊躇う様子もなくリュカに誘われ、高揚を示しているものへ舌を触れさせた

「あぁっ・・・」
リュカから、ひときわ高い、感嘆の声が上がる
体のどの部分へ触れられたときよりも敏感に体が反応し、望んでいた感覚を感じる
もう、この昂りは抑えようのないものになっていた
やがて、舌先で少しずつ舐め取るのはもどかしくなったのか
ノアは口を開き、触れていたものを口内へいざなった

「あ・・・っ!」
リュカの息が、一瞬詰まる
自身を含まれ、あまりに強い感覚に身震いしてしまう
柔らかな空間に包まれ、弄られると、何も考えられなくなった


「あぁ・・・ノア・・・」
自分から求めたこととは言え、未だかつてされたことのない行為に、喘がずにはいられなくなる
もはや、自分に絡みついているものが蜜なのか、ノアの液なのかわからない
抑えきれない熱が上ってくる
そして、ノアに全てを含まれた瞬間、体が震えた

「ノア・・・っ、あ、あぁ・・・!」
官能的な声と共に、熱が解放される
ノアは、蜜と共に、その熱を飲んでいた
とたんに感じる苦みに蜜の甘さが一気に消え、ノアは我に返る
そして、自分が何をしているのか認識した瞬間、すぐに身を離した

「リ、リュカ・・・僕、なんてことを・・・」
自分がしてしまったことが信じられなくて、狼狽する
だが、いくら信じられなくとも、口に残る苦みが全てを物語っていた
「ノア、気にすることなんてないんだよ。これ以上ないくらい、気持ち良くしてくれたんだから・・・」
リュカは、身を起こしてそう諭す
けれど、ノアはかなり責任を感じているのか、目を合わそうとしなかった
本来なら、ノアには何の責任もないというのに、狼狽している
その様子を見た瞬間、本当に珍しく、リュカの良心が痛んだ


「・・・何か、かわいそうだから、ネタばらししてあげるよ。あの蜂蜜には、依存性があるんだ」
「依存性・・・?」
ノアは顔を上げ、リュカと目を合わせた
「そう。でも、朝昼晩三食食べて、ようやく効果が現れる弱いものだけどね。
一食でも抜かせば、たちまち欲求は消える。・・・だから、ノアが気に病む必要はないんだよ」

それを聞き、ノアの狼狽は驚きに変わっていた
抑えがきかなかったのは依存性のせいで、仕方のなかったことで
リュカは、最初からそれをわかっていて蜜を使っていた
躊躇いなく、体に触れさせるために

「・・・怒った?」
窺い立てるよう、控えめに問われる
「・・・ううん、すごく怒ってるってことは・・・ない」
普通なら、何てものを食べさせたんだと文句を言ってもいいはずだった
けれど、蜂蜜の味に満足していたのは確かだし
昼間もてなしてくれたことを思うと、怒りは湧いてこなかった
憤らない要因は、他にもあるのかもしれないけれど、今、それを考えている余裕はなかった

「お人よしだね、ノアは。・・・ね、ボクからもしてあげよっか」
「え・・・!?」
リュカはノアににじり寄り、じっと顔を見上げて言う

「ふふっ・・・ボク、ノアにならいいよ。お詫びの意味も込めて・・・ね」
「なっ、何言ってるんだっ!・・・僕、もう出るから」
ノアは、今までで一番慌てた様子で立ち上がり、早足で浴室から出て行った

リュカから逃れて脱衣所に来たが、とんでもないことを言われたからか、心音が落ち着かない
それに、さっき、紫の瞳に見つめられて、引き込まれるかと思った
もう、蜜はないはずなのに




その後、ノアはそそくさとベッドに横になった
浴室での出来事を思い出すと、目が冴えてしまう
そんなとき、リュカが部屋に入ってきたものだから、ノアはまた緊張した

「ノア・・・一緒に、寝てもいい?」
やけに遠慮がちな声が耳に届く
そんな控えめな声を聞くなんて初めてで、その申し出を断るのはとても悪いことのように思えた
「・・・いいよ。もう、蜜を持ってないんなら」
安心したのか、リュカは嬉しそうに笑い、ノアの隣に寝転んだ

「さっきはごめんね、苦い思いさせて・・・」
小さな声で、リュカが呟く
これは、夢ではないかと疑った
さっきの遠慮がちな声も、この謝罪も、これほど珍しいものはなかったから

「別に、怒ってないし・・・もう、謝らなくてもいいよ」
蜜に誘惑されてしてしまったことが、恥ずかしくはあった
けれど、やはり怒りは湧いてこないのが不思議だった
「でも、もう思いつかなかったんだ。どうやったら、ああしてもらえるのか・・・」
「思いつかなかったって、何か他のことも考えてたのか?」
「うん、三度目の正直」
三度目と言われても身に覚えがなく、ノアは呆ける

「お酒を飲ませて酔わせてもダメ、女装しても指一本触れてくれない。だから・・・」
「そ、それって・・・」
その二つのことは、イタズラでしかないと思っていた
まさか、触れてほしかったからなんて、そんな意味が込められていたなんて知らなかった
だから、リュカは強硬手段に出たのだ
触れずにはいられなくなるような、蜜を使って


「リュカ、僕・・・全然気付かなかった」
「ま、ノアがとんでもない鈍感だって気付かなかったボクもボクだけどね」
リュカは、ノアにも、自分にも呆れたように言う
そして、少しだけ躊躇いがちに、ノアへ体をすり寄せた
「ノア・・・ボクの、大切な・・・」
その先の言葉は、続かなかった
友人、恋人、親友
今のこの関係は、どれをあてはめていいのかわからなかった

「・・・ありがとう、リュカ」
ノアは、リュカの肩をそっと抱いた
お互いの関係を計りかねているのは、ノアも同じだった
けれど、身を寄せて来るリュカを拒む気にはなれなくて、そっとリュカを引き寄せていた

「ノア・・・」
リュカは甘える様にして、ノアの首元に身を寄せる
その瞬間、ノアはふいに愛くるしさを感じ、しっかりとリュカの肩を抱いていた
お互いは、もう言葉を交わさず、目を閉じる
今夜は、眠りに着くのがいつもより早くなりそうだった





翌朝、ノアは朝食も食べず、早くに国を出た
長居をすると、ここに留まりたくなってしまう
リュカもそんな心境をわかっているのか、引き止めることはせず、ただノアを見送った

ノアが自国へ帰ったとき、王はある装置を見せる
それは、部屋に星空や虹など、様々な景色を映し出す装置だった
室内でも外の雰囲気を味わえる装置にノアは強い興味を示し、同時にリュカにも見せてあげたいと思っていた


それから数日間、ノアは、王が作ってくれた装置を楽しんで使っていた
付属チップを使えば、風景はどんどん増え、自分でオリジナルの風景も作れる
装置の使い勝手がよくなるほど、リュカに見せたいという思いは強くなっていった
この前泊まったばかりだが、またふらりと遊びに行ってみようかと考える

けれど、リュカは以前と同じように自分を迎えてくれるだろうか
蜜のせいとは言え、とても大胆なことをしてしまったのだ
リュカの態度がよそよそしくなってしまってもおかしくはない
そんなことを考えていたとき、召使いが部屋に入って来た

「王子様、お客様がお見えになっております」
「お客?わかった。すぐ行く」
お客様ということは、父親の知り合いだろうか
召使いのかしこまった言い方は、そんな相手を想像させた
けれど、そのお客様は、ノアが出向くまでもなく召使いと入れ替わりに部屋へ入って来た


「ノア〜。遊びに来たよ!」
突然の明朗な声に、一瞬呆気にとられる
「・・・リュカ!?」
お客様と言うには、まだあどけない相手
リュカはノアに笑いかけ、勢いよく抱きついた
ノアはよろけつつも、リュカを受け止める
いつも出向くのは自分の方からだったので、こうして来てくれるなんて思っていなかった

「ね、今日はノアがボクをもてなしてくれる?」
リュカの態度に、何ら不自然なところはない
そんなに気にすることはなかったのかと、安心する
無邪気な声で尋ねかけてくるリュカに、ノアは強い好感を覚えていた

「もちろん、ちょうど、見せたいものがあったんだ」
ノアは、リュカの手を引く
そのとき、リュカは少し照れくさそうにはにかんだ
リュカも、不安だったのだろう
あんなことをさせてしまった相手が、どう接してくれるのか
そのとき、ノアは同じような心配事をして、照れ笑いをしているリュカをかわいらしいと感じていた


ノアは、ぴたと足を止める
そして、すぐ傍にいるリュカの方を向き、ほとんど衝動的に、軽く、自らを重ねていた
言葉を発する、その箇所に
何の前触れもなく、リュカは目を丸くする
けれど、すぐに目を閉じ、ノアを受け入れていた

衝動的なその行動は、ほんの数秒で終わった
そんな短い間でも、リュカの頬を染めるのには十分な時間で
はっと気付いたときには、ノアも同じように赤みを帯びていた

「・・・そ、そうそう、見せたいものっていうのは・・・」
ノアは再び歩き出そうとしたが、腕をぐいと引っ張られ、向きを変えられる
体がリュカの方を向いたかと思うと、すぐに、唇に柔らかな感触が伝わっていた
至近距離にあるリュカの顔に驚く
そうして驚いた瞬間には、もう触れていた箇所は離れていた


「ノア・・・大好きだよ」
抑え切れない思いが零れたように、ふいに告げられた
そんな言葉を聞いた瞬間、ノアは自分の胸が温かくなるのを感じて、考えるより先にリュカを抱きしめていた

「僕も・・・好きだよ。リュカのことが・・・」
この「好き」がどこまでの好意を示しているのかなんてわからない
けれど、伝えずにはいられない思いが溢れてきて、自然と発されていた
リュカは、ノアの首元に擦り寄り、腕をまわす
ノアは、さらに温かくなるものを感じつつ、リュカを受け止めていた
この二人の関係が深まるのは、そう遠くないことかもしれない




−後書き−
読んでいただきありがとうございました!
平和な国シリーズ、まさかの番外編はこれにて終了となります
展開早くて短い話、誘い受けが書きたくてやってみました←自重しない
今回はとても珍しく、関係が深まりきった場面は書きませんでした
この話が、もう発禁モノですが

次の連載は、もう妄想が始まっていますので
今まで通り、週一回の更新で暫くはいけそうです
ではでは、短い話でしたが、お付き合いいただきありがとうございました!