ヘタリア 番外イタリア編#4(伊受けver)

―告白の結末―


考えた末に、僕は指輪を取った
それを見たイタリアは、箱を引っ込めて左手を僕の方へ差し出した
僕はその手を取り、その薬指に指輪をはめた

「・・・これで、リンセイは俺のお婿さんだね」
イタリアは、嬉しそうに笑った
一晩だけとはいえ、まさか目の前にいる彼が僕の花嫁になるなんて、夢にも思わなかった
けれど、僕はそのことを喜ばしいことだと感じていた
家に帰ったら僕は何をしなければいけないのか、これで確定した
だが、僕はイタリアに向かって自然と微笑を向けていた
そしてイタリアの手を取り、立ち上がった





家に帰ると、僕は先にシャワーを浴びさせてもらった
イタリアを待つ間に、心の準備をしておきたかった
正直なことを言うと、今晩やらんとしている行為は今の今まで一度もしたことがない
どこにどう触れればいいのか、だいたいはわかっている
だが、それが相手にどんな感覚を与えるのかはよくわかっていない
想像しようにも、その行為をしたことのない僕には無理な話だった


ベッドに座ってそうこう考えているうちに、イタリアが浴室から出てきてしまった
とても珍しいことに、寝具を身に着けて
僕はそれを不思議に思ったが、あまりそのことを気にかけている余裕はなかった
イタリアは隣に座ると、すぐに体を摺り寄せてきた
風呂上がりなのだから当たり前なのだが、その体温はとても温かかった



いよいよ、事が始まろうとしている
果たして自分に最後までできるだろうかと、僕は少し不安に思った
だが、イタリアの事を想っているのなら、最後まで成し遂げるべき行為だ
僕は意を決し、イタリアの肩を抱き寄せ、そっと口付けた

「ん・・・」
イタリアが僕の後頭部に手をまわし、引き寄せてきた
僕は慎重にイタリアの唇を舌で割り、口内にそれを進めた
不慣れなことに僕の動きはとてもおずおずとしていたが、イタリアがリードするように口を開いた
そして、中々動こうとしない僕がじれったかったのか、イタリアは自ら口内に入ってきたものを絡め取った

「っ・・・んん・・・」

甘い声が漏れたのは、僕からだった
自分がリードしなければならないのに、逆にリードされてしまっている
そのことが情けなくなった僕は、思い切ってイタリアをそのまま押し倒した
そのはずみで触れ合っていた物が離れ、細い糸がお互いの唇に伝った

それを軽く舐め取ったのも、イタリアだった
唇を舐められる感触に、僕はわずかに肩を震わせた
このままではいけないと思い、僕はイタリアの寝具に手をかけ、脱がし始めた
すると、イタリアの頬にほんのりと赤みがさしてきていた
そこで僕は、イタリアはこうして服を脱がされるという感覚を、感じてみたかったのかもしれないと思った



ボタンを外すのに、そんなに時間はかからなかった
上半身の寝具を取り去り、イタリアの肌が露わになる
もう見慣れたもののはずなのに、僕の中には緊張感が生まれてきていた
この、露わになった肌にどう触れればいいのか、僕はあまり知らなかった
なので少しの間制止していると、ふいにイタリアが僕の方へ手を伸ばしてきた

そして、その手は僕の寝具のボタンを外し始めた
自分が脱いだのだから、僕にも同じ格好になってほしいと、そう言いたいのだろうか
今更恥じらうことでもないので、僕は自ら服を脱いだ


「リンセイ、ハグして・・・」
僕が肌を露わにしたとたんそう言ってきたので、僕は姿勢を下げてイタリアを抱きしめた
イタリアも僕の背に両手をまわし、やんわりと抱きついてきた

触れ合う素肌の温もりが、とても心地良い
油断すると、こうして抱き合ったまま眠ってしまいそうになる
僕はもっとその体温を感じたくなり、すぐ傍にあったイタリアの頬に軽く唇を重ねた
こうしてイタリアに触れていると、不思議と胸が温かくなった

「リンセイ・・・」
名を呼びかけられたので、僕は顔を起こしてイタリアと視線を合わせた
イタリアは軽く微笑み、そして言った


「俺の童貞・・・奪ってほしい・・・」

求めるように発されたその言葉を聞いた瞬間、心音が高鳴った
イタリアは、初めての行為を僕に委ねている
僕を信頼し、全てを任せてくれている
彼がそう思ってくれているのに、僕が戸惑ってどうするんだ
僕は指輪を受け取る側ではなく、捧げる方を選んだというのに


僕は今度こそ、意を決した
そして体を起こし、イタリアの下半身の寝具に手をかけた
イタリアは、また少し頬を染め、僕を見ていた

僕は、イタリアの想いに答える義務がある
相手の裸を直視することに、動揺してはいられない
僕はイタリアの視線を受け止め、手にかけていた寝具を下ろした
途中でためらってしまわないように、下着と共に手早く、それを取り去った


「ヴェ・・・」
イタリアは珍しくも、恥じらいを含んで動揺しているような声を発した
裸を見せることには変わりないのに、自分で脱ぐのと脱がされるのは結構な違いがあるのかもしれない


もう、イタリアは何も身に着けていない
そんな姿を見ると、思わず手を伸ばしたくなった
余すとこなく、触れてみたいと
以前は直視することすら戸惑っていたのに
今、無防備なイタリアを見た瞬間、そう思っていた

もはや自分の服さえ邪魔なだけだと、僕も残りの寝具を取り払った
それを恥ずかしいと思っていない事が、また不思議だった

「イタリア・・・」
僕は眼下にいる相手の名を呼び、その頬に手を添えた
イタリアは微笑み、僕の手に自分の手を重ねた
それを了承の合図と受け取った僕は、イタリアの下腹部にあるものをそっと撫でた

「ふぁ・・・っ」
熱を帯びた声が、イタリアの口から発された
それを愛撫すると、イタリアの体が反応し、わずかに跳ね上がった
そして僕は瞬間的にその声を、敏感に反応している体を愛らしいと、そう感じていた
僕はもっとイタリアの反応する姿が見たくなり、さらに愛撫を続けた

「あ・・ぁ、ふぁ・・ん」
イタリアから、さらに熱っぽい声が発される
手が往復運動を繰り返すたびに、イタリアの体は小刻みに跳ねる
僕はその声を聞いているだけで心臓が高鳴り、自分の体も反応を示してきているのを感じていた


「イタリア・・・入れても、いいか・・・?」
僕はそう呟き、愛撫しているものの下方にある敏感な箇所に、指先で触れた
イタリアは肩を強張らせ、緊張を示した

「う・・ん・・・」
少し戸惑いながら、イタリアは頷いた
僕は、怖がらせないようにイタリアの頭を撫でた
そして、慎重にイタリアの中へ指先を埋めていった

「ひゃ、う・・・」
自分の中に入ってきた物の感触に驚いたのか、イタリアはぎゅっと僕の腕を掴んだ
そんな動作が、やはり愛らしく思えた


指先を少し奥へ埋めると、イタリアの内部はすぐに収縮し、指を締め付けた
そして、イタリアが後々痛い思いをしないように、ゆっくりとその個所を解していった
指を曲げた瞬間、イタリアが驚いたように肩を震わせた

「ひゃあっ・・・!」
そんなに強い刺激は与えたつもりはないのだが、イタリアは指を曲げた個所にとても敏感に反応しているようだった
僕は同じ個所でまた指を曲げ、その個所を指先で撫でてみた

「ふあっ・・・!あ・・・!」
その個所に触れるたびに、イタリアの体が小刻みに跳ねた
僕が触れている箇所は、悦を感じやすい場所なのかもしれない
そのせいか、イタリアはだんだんと息を荒げてきていた


「・・・イタリア、大丈夫か?」
その様子が何だか苦しそうに見えたので、僕は懸念して声をかけた

「ん・・・だいじょうぶ・・・。きもち・・・いいよ・・・」
イタリアの声は、とても熱っぽかった
それを聞いた瞬間、僕はその声をもっと聞きたくなった
これが、欲情するということなのだろう
僕は今、イタリアに悦を与えたくて仕方がなかった

「良かった・・・。じゃあ、続けるから・・・」
僕は指をもう一本、イタリアの中へ埋めていった

「ん、ん・・ぁ・・・」
体温が上昇してきているのか、イタリアの頬は完全に紅潮していた
そんな姿を見ていると、僕の体温も上昇してくるようだった
されるがままになっているイタリアを、満足させてあげたい
そう思った僕はまた一本、指を中へ埋めた

「あぅ・・ぁ・・・っ」
埋められた指に反応し、とたんにイタリアが収縮する
指が締め付けられて動きづらかったが、僕はこうしてイタリアが反応を示してくれることが嬉しかった
そして、次の行程でイタリアが痛い思いをしないように、僕は中でしばらく指を動かし、解していった

「ひゃ、ん・・・なんか、俺の・・・変・・・」
指の動きに慣れてきたのか、収縮は緩んでいった
そして、僕の指には粘液質なものが絡みついてきていた
イタリアは、その感触に違和感を覚えているようだった
僕がゆっくりと指を引き抜くと、指先に糸が伝った

「イタリア、怖く・・・ないか?」
次は、指とは比べ物にならないほどの痛みを伴う行為だと思い、問いかけた
そんな痛い思いを人一倍嫌うイタリアは、怯えてしまっているのではないかと懸念した
イタリアが恐怖を感じていたら、ここで止めるつもりだった
欲は収まらないかもしれないが、イタリアを傷付けるよりはましだと思っていた


「怖くないよ。・・・俺、リンセイが・・・・・・欲しい・・・」
イタリアも流石に照れているのか、最後のほうの言葉は小さくなっていた
しかし、僕の耳にははっきりと届いていた

背にまわされている腕に、わずかな力がこもる
求められるその言葉と、誘いかけるような熱い吐息に、僕の心音はこれ以上にないほど高鳴った
そして、僕のほうからもイタリアを求めたくなっていた
イタリアに、触れたくてたまらない
そう思った矢先、僕は隆起しきっている自身のものを、イタリアの中へわずかに埋めていた

「ひゃう・・・っ!ぅ・・んん・・・」
急に与えられた刺激に驚いたのか、イタリアがすがりつくように腕に力をこめた
僕はバランスを崩さないように、イタリアの両脇に手をついた
そしてイタリアを安心させるために、いつものように頭を撫でた

「痛かったり、怖かったりしたら、言ってくれていいから・・・」
僕の言葉に、イタリアは小さく頷いた
僕は、自身を少しずつ中へ進めていった

「あ、あ・・・ふぁ・・っ」
イタリアの呼吸は小刻みになり、荒さと熱を増してゆく
それと同時に内部が締め付けられ、僕の息も自然とあがっていった

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