ヘタリア 伊短編、締結後の夜


僕がイタリアと同盟を組み、国内も落ち着いてきたとき
僕は結構頻繁にイタリアと合っていた


大半は僕がイタリアの家に行くことが多かった
イタリアは僕の家に来たいと言うときもあったが、張りつめていて何の娯楽もない家に来ても面白くないと思う
だからイタリアがそう言い出す前に、僕からイタリアに会いに行くようにしていた
そして今日、イタリアはいつも以上にうきうきとしながら僕を家に招いてくれた

「ね、リンセイ、今日泊まっていって。俺、リンセイにしてあげたいことがあるんだ〜」
「いいけど・・・何をするんだ?」
お互いの家に泊まるのは、もう珍しいことではなかった
けれど、イタリアのしたいことというのは何なのか気になった
何か、新しいパスタの調理法でも思いついたのだろうか

「俺、フランス兄ちゃんから本借りて、色々勉強したんだ〜」
「フランス兄ちゃん・・・・・・」
そこで僕はあることを思い出し、はっとした
この前、身を重ねたとき・・・イタリアは、僕を気持ち良くするために勉強すると言っていた
そこで、フランス兄ちゃんに本を借りると言っていた気がする
と、いうことは、イタリアのしたいこととは、そういう・・・

「え、あ、あの・・・今夜、する・・・のか?」
「うん。今日してあげたいな〜って思ってるんだけど、だめ?」
「いや、だ、駄目じゃないけど・・・」
一回行為をした仲とはいえ、そういったことにまだまだ不慣れなことには変わりない
嫌ではないけれど、僕はどぎまぎせずにはいられなかった

「それじゃあ、楽しみにしててね〜」
「あ・・・ああ」
イタリアは、僕のように緊張している様子はどこにもなかった
元々スキンシップが好きな彼は、やはり順応が早いように思える
イタリアの家に来て早々そんなことを言われた僕は、夜まで動作がぎこちなくなってしまった





イタリアと過ごす時間は早く過ぎてゆくものだが、今日はそれ以上に早く過ぎていった
時間が迫ってくると、僕は緊張のあまり無意識に行動するところがあった
そのせいかあっという間に夜になり、気がつけばお互い風呂にも入り終わっていた

イタリアは、勿論何も身に着けずにベッドに座っていた
僕もすることはわかっていたが、下着だけは身につけてイタリアの隣に座っていた
どうしても、何も身に着けずに脱衣所から出るということはできなかった

「それじゃリンセイ、ベッドにもたれて楽にしてて」
座った体制のまま、するのだろうか
僕は言われたとおりにベッドに乗り上げ、楽な姿勢で座った
この時点ですでに、僕の心音は高鳴りつつあった

「じゃあ、触るね・・・」
イタリアもベッドに乗り上げると、僕の下腹部に手を伸ばした
そして、布を一枚隔てた上から、敏感な箇所に触れた

「っ・・・ん・・・」
隔たりがあっても、僕は一瞬体を震わせ、反応した
撫でるような優しい愛撫だが、僕に熱を与えるには充分な行為だった

何回も、布の上からの愛撫が繰り返される
僕はときたま熱を帯びた息を吐き、そんな中にだんだんと欲が生まれてきていた
籠っている熱を、解放させてほしいと
自分を隠している布が、今では邪魔だと思えてきていた


愛撫が続けられると僕の息は少し荒くなり、小刻みになってきていた
それを合図としたのか、イタリアは僕の下着に手をかけ下ろし始めた
前はとてつもない恥じらいを覚えたものだったが、今は張っていたものが解放されてほっとしていた
僕のものはもう反応し始めていて、隆起しかけていた
それを直視するには至らなかったが、感覚でわかった

「俺・・・リンセイをもっと気持ち良くさせてあげるから、そのまま楽にしててね」
「・・・わかった」
座りっぱなしの今の体制では、前と同じ行為はできない
僕はイタリアが何をするのか、さっぱり見当がつかなかった

じっとその動きを観察していると、ふいにイタリアが身を屈めた
そして、自分の顔をさっきまで触れていたものに近付けていった
僕は、まさかと思いとっさにイタリアを遠ざけようとした
けれど、動揺が走りわずかに反応が遅れたせいで間に合わなかった
イタリアは隆起しかけている僕のものを、その口で咥え込んだ

「あ・・・っ・・・!」
瞬間的に体が跳ね、上ずった声を抑えきれなかった
撫でられるだけでも敏感に反応を示す箇所が、とたんに脈打ち始める
悦のために体が身震いし、抵抗することを忘れさせてしまった

「イ、イタリア・・・そんな・・・っ、あ・・・ぁ」
イタリアの舌になぞられ、僕は言葉をうまく発せなくなる
そこに伝わる液の感触が、たまらなく淫猥に感じられる
自分のものの状態を思うと、僕は新たに感じる羞恥心で一杯になった
けれど、イタリアを引きはがそうとすることはできなかった

イタリアの舌が這わされるたびに僕は反応して、力なんて抜けていってしまう
熱い息を吐くたびに、声が漏れ出してしまう
洗ってあるとはいえ、イタリアがそんなところに舌を這わせるなんて、考えられなかった
けれど、僕は戸惑いを感じる余裕すらなくなってきていた


「は・・・っ、ん・・・あ、ぁ・・・もう、離し・・・っ」
同じことを繰り返されているだけでも、僕は自分が悦に呑まれようとしてゆくのを感じていた
このままでは、イタリアの口内に粘液質なものが流れ込んでしまう
それを汚らしいものだとは感じていなかったが、あんなものが口内に入る感触は良いものではないだろうと思う

僕は何とか口を離れさせるために、イタリアの両肩に手をかけた
すると、突然感じている刺激が強くなった

「あっ・・・!ぁあ、っ―――」
自身のものが強く吸い上げられ、締め付けにも似た刺激がとたんに声を発させた
僕は悦に呑まれぬよう全身に力を入れたが、無駄な行為だった
もう、僕は自身を抑えられなかった
イタリアの口内に、抑えきれない熱が放たれた

「あ・・・イ、イタリア・・・」
下から上へ伝わる柔らかな唇の感触に、僕は身震いした
イタリアは咥えていたものを離すと、少し俯いて閉口していた

「ご、ごめん・・・そんなもの、吐き出していいから・・・」
僕は熱っぽい余韻を残したまま、イタリアにそう訴えた
けれど、イタリアは答えなかった
少しでも口を開けば、流れ込んだものが落ちてベッドを汚してしまうのを懸念しているのかもしれない

「ほ、ほら、洗面台に行こう」
僕がそう言って近付いたとたん、イタリアの喉が動いた
僕はまさかと思い、目を丸くした

「ヴェ・・・苦い〜」
イタリアの口内に、粘液質なものが残っている形跡はなかった
それを目の当たりにしたとたん、僕は再び大きな羞恥にとらわれた

「そ、そんなもの飲むなんて・・・!苦いんなら、吐き出してもよかったのに・・・」
イタリアの口内に放ってしまったこと、そして相手がそれを飲み干したこと
それが、とてつもなく恥ずかしかった

「ううん、リンセイの、一回こうしてみたかったし・・・気持ち良かった?」
僕は恥ずかしながらも、素直に頷いた
どんなに多大な羞恥心を感じていても、イタリアの口内に含まれ、そして悦を感じていたのはまぎれもない事実だった

「よかった〜。じゃあ・・・えっと・・・・・・」
イタリアはなぜか、少し恥ずかしそうに口ごもった
「どうした?」
僕が尋ねると、イタリアは視線を合わせて言った


「リンセイ・・・俺のも、同じように、してほしい・・・」
「えっ」
イタリアは遠慮しているのか、その声は小さかった
ちらっとイタリアの下肢の方を見ると、中心部にあるものは反応を示しつつあった
たぶん、僕があられもない声を発したから、それに反応してしまったのだろう
それをそのまま放置しておくのは辛いことだと、薄々わかっている
だから僕は驚きはしたが、首を横には振らなかった

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